51話 ページ4
物言わぬ骸と化した竭氏を前に、大臣達は青褪める。
勝敗が決した以上、ここにいる理由は無い
そう思い、踵を返そうとした私の視界に一瞬映ったのは、扉の前にいる河了貂に近づく大臣だった。
手に持っているのは……短剣!?
「河了貂!!」
危険を知らせようと声を上げたが、時すでに遅し。
他の者達も完全に油断していた。
「いっ」
床に倒れる河了貂の体から、血の付いた短剣が抜かれた。
「……テ……
貂ーーー!!」
壁の絶叫の如き声が、その場に響いた。
河了貂を刺した大臣はすぐさま逃げようとしたが、結局右龍への扉に入る前にあの隊長の男──バジオウに首を斬られた。
そして、河了貂が刺されたことでできた信の隙をついて成蟜が逃げた。
だが成蟜が向かったのは、右龍でも左龍でもなく正面扉。
そこ以外逃げ場はなかったんだろうけど、ご当人がわざわざ本殿から出てくれるなんて、いろいろ手間が省けるな。
おそらく、成蟜の口から竭氏の死亡は伝えられるだろう。
山の民たちも、竭氏の首を持って広場へと行くようだ。
信は河了貂の脈を確認した後、山の民たちと共に本殿から出て行った。
深々と短剣が刺さっていたように見えたから少しヒヤッとしたが、どうやら河了貂は生きてるらしい。
あの子、蓑の下に何か着込んできるみたいだったから、もしかしたらそれが短剣を防いだのかもしれない。
「もう行くぞ」
騰ももうここには用がないらしい。
「はい…」
私は、騰や外部下たちと共に本殿を出てまた左龍に入った。
私たちが広場に戻る頃には、多分全てが終わってるだろう。
月は──私たちの主は、その時何を思うのだろう？
主である月がどんな答えを出しても、私たちは当然それに従う。
だからこそ、月にはなるべく後悔のない答えを出してほしい。
それは本人にしか出来ないことだから、私はこの戦を見に行くよう月に進言した。
私が提案した事とはいえ、せっかくここまで来たんだ。
見極めてほしい……
その上で主が出す答えを、私たちに示してほしい
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ナツピー(プロフ) - かやさん» 大変お待たせしました。楽しみにしてくださってありがとうございます (8月9日 17時) (
レス) id: 5d05baf364 (このIDを非表示/違反報告)
ナツピー(プロフ) - りゅーりさん» 楽しみにしてくださってありがとうございます。大変お待たせしました (8月9日 17時) (レス) id: 5d05baf364 (このIDを非表示/違反報告)
ナツピー(プロフ) - 三太さん» 大変お待たせして申し訳ありません (8月9日 17時) (レス) id: 5d05baf364 (このIDを非表示/違反報告)
かや - また更新されるのを楽しみに待っています！次は映画も3作目に入りましたね。 (7月29日 13時) (レス) id: 91595a05fb (このIDを非表示/違反報告)
りゅーり - めっちゃくちゃ楽しみにしてます！ (2022年8月11日 15時) (レス) id: ccd8abd8be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツピー | 作成日時：2019年10月6日 0時
