48話 ページ1
來視点
大王の激で兵たちも山の民たちも随分息を吹き返したようだが、肆氏が新手の大軍を引き連れて来た。
私たちはこの戦いに介入する気は無い。
月様からの御指示があれば別だが、おそらくそれは無いだろう。食い入るように戦場を見つめる月様の様子に、私は気を引き締めた。
この戦いで決まるのだろう。
月様の付かれる陣営が。
蓮が月様にこの戦いを見に行くよう言った時はさすがに驚いたけど、確かにその甲斐はあったかもしれない。
「騰はいますか？」
「ハ！ここに」
私たちと同じく、この乱戦を静観していた王騎将軍が自分の副官を呼んだ。
「……
あなた右龍に行ったのでは？」
「ハ！今から向かおうかと」
「……もう結構です。
あなたには別に行って頂きたい所があります」
王騎将軍の言葉に、私は一つ思い当たる場所があった。
······本殿ね。別働隊はどうなってるのかしら？
どうやら左慈は抜いたようだけど、本殿にはまだランカイがいる。右龍へ行った者たちが強者揃いとはいえ、無傷では済まないだろう。
「ハ！承りました」
「今すぐですよォ。
ンフフフフ」
「ハ！」
王騎将軍に命じられ、騰様が部下を連れ本殿へと向かおうとしたその時
「お待ちください」
月様が騰様を呼び止めた。
「蓮も連れて行ってはくれませんか、騰様？」
月様は蓮に本殿の様子を見に行かせるつもりらしい。
「私は構わんが？」
「いいの月？行って来ても？」
「さっきからずっと右龍の方をチラチラ見てたくせによく言うわ。
気になるなら行って来なさい」
「悪いね」
蓮はそう言って悪戯っぽく笑うと、騰様と一緒に本殿へと行った。
蓮達の姿が見えなくなった頃、私は口を開いた。
「本殿が気になるのは、月様も同じなのでは？」
あちらは大王の勝利の鍵となる。
だからこそ王騎将軍も、騰様にあちらの様子を見に行かせたのだろう。
「まぁね。
でも私の目的は、大王を見極めることだからね。
たとえどんな結末になろうとも、最後までここで見届けるつもりよ」
そう言い切る月様の声は、心なしか迷いのようなものが消えているように聞こえた。
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ナツピー(プロフ) - かやさん» 大変お待たせしました。楽しみにしてくださってありがとうございます (8月9日 17時) (
レス) id: 5d05baf364 (このIDを非表示/違反報告)
ナツピー(プロフ) - りゅーりさん» 楽しみにしてくださってありがとうございます。大変お待たせしました (8月9日 17時) (レス) id: 5d05baf364 (このIDを非表示/違反報告)
ナツピー(プロフ) - 三太さん» 大変お待たせして申し訳ありません (8月9日 17時) (レス) id: 5d05baf364 (このIDを非表示/違反報告)
かや - また更新されるのを楽しみに待っています！次は映画も3作目に入りましたね。 (7月29日 13時) (レス) id: 91595a05fb (このIDを非表示/違反報告)
りゅーり - めっちゃくちゃ楽しみにしてます！ (2022年8月11日 15時) (レス) id: ccd8abd8be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツピー | 作成日時：2019年10月6日 0時
