鬼を滅する鬼【時透無一郎】

禰豆子の力 ページ31

“まずは禰豆子ちゃんを連れてきてくださいね”

宇「禰豆子、って…あの時の鬼か？」

　『そうです。で、早く連れてきてください』

宇「しゃーねえなあ」ﾋﾞｭﾝ

　『…では、準備を始めましょうか』

　『無一郎、禰豆子ちゃんがきっと毒を“燃やして”くれる。可能性は100％ではないけど、大丈夫。安心して』

時「…」ｺｸ

　もう無一郎は黙ったまま頷くことしかできない

　無一郎に生きててほしい理由は恋人だからだけじゃない

　“あの人”を一緒に討ちたいから

宇「おーい、連れてきたぞー！」

　『禰豆子ちゃん!!無一郎を燃やして』

禰「むー！」

　ﾎﾞｯ

宇「おい、何して…」

　どうかお願いします

　これでも解毒できなかったらもう手がありません

　神様…

時「あれ？なにこれ？」

時「燃やされたのに燃えてないのも不思議だけど……なんで毒が消えたの？」

　『無一郎ー！よかった、生きてて…もう毒に汚染されて死んじゃうかと思ったよ』うわーん

栗「それはそうなんだけど…どうして氷柱様は禰豆子ちゃんが毒を消す力を持っていることを知っているんですか？任務か何かで？」

　『あ〜それは、だね…』
　ん？

　そういえばさっき、宇髄さん、A、鬼だろ！って言ったよね…？

　カナヲに絶対聞かれてるよね…

　オワタ!!ﾁｰﾝ

時「どうしたの、頭抱えて」

　『カナヲに私が鬼だってことﾊﾞﾚﾀｶﾓ…』

時「あーさっきの……宇髄さん…」

宇「お？」

時「柱しか知らない秘密をさらしましたよね？どう責任を取るんですか」

宇「あ」

　『カナヲ、さっき宇髄さんがA、鬼だろ！ってやつ聞いたよね…』

栗「き、聞きました…。聞いたらいけませんでしたよね…」

　『ううん！聞いてしまったのは仕方ないから、今後柱以外の人に絶対言わないことを約束してくれるなら大丈夫だよ！』

栗「はい、絶対に言いません。…それから、さっきの質問」

　『ああ！実は、私は私や禰豆子ちゃんと同じで鬼舞辻無惨の呪いを外している鬼と繋がっていて、たまに無惨の情報、禰豆子ちゃんの情報を伝えに来てくれたりしてるんだ!!』

　『そこで、禰豆子ちゃんの兄・炭治郎君に、“那田蜘蛛山での任務で、能力で“禰豆子が燃える血”というのを使えた”という情報をその鬼がもらい、その後、私もその情報をもらった、というわけで。もしかしたら、解毒にも使えるんじゃないかと』

　『…そろそろ夜明けだね。禰豆子ちゃんは宇髄さんが連れていったし、もう大丈夫だね』

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