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目の前にはテーマパークのゲート。
此処に来たのには、理由がある。
《 これは次のショーの題材にも──。》
彼が言った言葉が、
ただ単に気になってしまったから。
だから、彼がキャストとして働いてると聞いた
フェニックスワンダーランドに、来たものの。
「 ( なんで、来ちゃったんだろ……。) 」
ただ、好奇心だけで来てしまった。
私は昔からショーを見るのが好きだった。
見てるだけで、夢の様な物語に引き込まれて、
自分がその場所に存在しているような感覚が好きだった。
夢を見ることが好きだからこそ、ショーにも惹かれた。
だからと言って、今まで見たショーの真似なんて出来ないけど。
だけど、彼がショーをやってると聞いて、気になった。
前に読んだ小説をショーにして、練習するのではと。
「 ( 少しだけ、バレないところから練習を見れば )」
そう思って一歩、踏み出そうとすると、
「 Aさん？ 」
「 ひゃっ…！ 」
「 えﾞッ 」
突然横から声を掛けられ、思わず変な声を出してしまった。
声を掛けられた方へ顔を向けると、そこには
同じクラスの二人、と、緑の髪をした女の子が立っていた。
「 凄い驚いてるけど……司、彼女になんかした？ 」
「 いや何もしてないが！？ 」
「 司くん……？ 」
「 お、落ち着け類！ 俺は何もしていない！！ 」
「 ……っ。 」
彼が来る前にテーマパークの中に入ろうと思っていた。
けど、時間を使い過ぎたみたいだ。
バレちゃったならもう帰るしかない。
そのまま、早歩きで彼の隣を通り過ぎようとすると、
パシッと腕を掴まれた。
「 え……。 」
「 待って、Aさん。」
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作者名：優風 | 作成日時：2024年1月16日 14時
