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ある日の昼休み。
読書を邪魔されて、変人の彼を突き放した日から。
「 やあAさん。
この前読んでいた小説なんだけれど──。」
「 うるさい。」
「 よよよ……。」
「 ……。」
何故か、話し掛ける回数が増えた。
うるさいくらいに。なんでよ。
「 Aさん酷いじゃないか……
僕は、小説の内容を詳しく知りたいだけなのに……。」
「 ……ッ。」
よよよ、なんて変な泣き真似をしながら、
きゅるん、なんて効果音が付きそうな表情で
私を見詰めてくる彼。
そのままスルーしようとしたものの、
また煩くなりそうだなと、私は持っていた小説を
ぐいっと押し付けた。
「 ……！ 」
「 ……知りたいんでしょ、読めば。
私はもう読んだから。」
そう告げて、私はその場から去った。
耳を済ませば、追いかけて来るような足音が聞こえない。
良かった、追い掛けて来なくて。
私はそのまま屋上へ行って、
時間まで、音楽聴いて過ごす事にした。
────────────────────
「 む？ 類、その本はなんだ？ 」
教室に戻ると、僕が手に持っている小説を指さす司くん。
「 嗚呼、これかい？ ファンタジーの小説だよ。」
「 珍しいな、類がそんな小説を読むなんて。」
「 実は司くんが好きそうな内容があってね。
ショーにも使えそうだよ。」
「 なにッ、そうなのか！
よく見つけられたな？ 」
「 嗚呼、これは僕じゃなくて、彼女だよ。」
「 彼女？ 誰の事だ？ もしや、寧々か？ 」
「 Aさんだよ。」
「 なッ！？ Aさんだとッ！？ 」
何故か稲妻を受けたような表情をする司くん。
キミは一々面白い反応するねえ。
「 そうだけど。」
「 話せたのか！？
オレが話したら無視されるんだが！？ 」
「 うん。
(まあ、会話のキャッチボール出来ていないけれど。)」
「 な、何故類だけAさんと話せるんだ……。」
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作者名：優風 | 作成日時：2024年1月16日 14時
