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最近、3ｰCに転校してきた一人の女性。
容姿端麗。成績優秀。まさに高嶺の花という存在の彼女。
そんな彼女は皆と仲良く話す……なんてことはなかった。
どうやら必要の時以外は話すことなく、
話し掛けると何処かへ行ってしまう。
所謂、一匹狼という類のもの。
だけれど、皆は彼女に嫌に思うどころか、
" クール美少女だ！ " と良い意味で思っているらしく、
数日してファンクラブが出来る程だった。
そんなある日。
次のショーで使えるストーリーを探すべく、図書室に赴いた僕。
放課後ということもあって人は少ない。
いくつか本を手に取り、テーブルの方へ向かうと
一人の少女が本を読んでいた。
この姿は……嗚呼、彼女だ。
「 やあ、Aさん 」
「 ……。 」
予想通りに、反応はなかった。
1度ちらりと目線を僕に向けていたから、
本に集中して気付いてない、という訳ではなさそうだ。
隣に座って覗き込むと、
どうやらファンタジー系の小説を読んでいるらしい。
「 おや、意外だね。
Aさんがファンタジーのような本を読むなんて。 」
「 ……。」
「 ふむ、この様な物語も悪くないね。
司くんが好きそうな流れだ、
これは次のショーの題材にも──。」
「 ……ねえ、邪魔しないでくれない？ 」
気が散る、と言って立ち上がった彼女は本を借りて
図書室から出ていった。
「 ……へぇ。」
誰に話し掛けても何も答えず反応しなかった彼女が、
僕に話し掛けられると少し反応し答えてくれた。
「 フフ、面白いじゃないか。」
どうやら、僕は益々彼女が気になったみたいだ。
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作者名：優風 | 作成日時：2024年1月16日 14時
