【HQ】月島くんと日向さん

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｢……別に黒尾さんには関係ないですから｣


　だから言及しないでくれますか。と含みを込めて言ったつもりだったが意味を汲み取ったにも関わらずわざとらしく言う。



｢え〜？もしかして彼女と連絡とかぁ？黒尾くん気になっちゃうんですけど｣


　話しながらピッとボタンを押してガコンと落ちた飲み物を取った。コーラ缶を音を立てて開ける。
　スマホがまた震えた。警戒しながら取り出すとロック画面にまたメッセージが入る。うわ、既読無視って勘違いされたと思い、呑気に飲み物を飲む先輩を睨み付けるように見た。


｢気色悪い事言わないで下さい。……友達ですよ｣
｢え、ツッキーバレー部以外に友達いたの……？｣
｢はぁ？友達の枠に日向と影山が入ってるんでしたら心外です｣


　先輩としての余裕なのか、思うツボなのが気に食わない。
　バレー部一年で山口は付き合い長いし友達というよりかは腐れ縁で単細胞コンビはどっちかというとペットとかに近い。野生児なので放っておけば煩いし勉強という名の面倒を見なくちゃいけないし。そういう意味でもちゃんとした友達の枠に入っているAは特別だ。まあ友達の枠には入れたくはないけど。

　スマホをロック画面のまま片手で持ち黒尾さんがどっか行ったら返信しようと図った。


｢気になるから見してよ｣
｢嫌ですけど｣
｢ツれないなあツッキー｣

　無視してじっと時間が流れるのを飲み物を飲みながら、スマホを見ていた所を目の前の人にひょいっと取られる。
　は、と吃驚と狼狽が混ざった声が出た。

　
｢ばっ……かなんですかアンタプライバシーの侵害｣


　にやにやとロック画面を見ながら僕を伺う。煽っているのだろう。
　飲み終わったペットボトルを近くのゴミ箱に捨てて、黒尾さんに目を移すと特に面白みもないロック画面を見て話し出す。


｢ふぅんAちゃんねぇ？気になるなぁ〜｣
｢…………はぁ｣
｢チョット先輩相手に溜息とか酷いじゃん｣


　馬鹿馬鹿しい。そんな表情を見たのか｢はいはい悪ふざけがすぎましたよ｣と僕のスマホを突き出した。受け取ってポケットにしまう。
　この人と話してどっと疲れが増した感じがする。
　缶の音がして、ゴミ箱の方を見ると黒尾さんがいた。コーラ缶を捨てたんだろう。僕を見て、また胡散臭く笑う。

｢明日もいつものメンバーでやるからな〜来いよツッキー｣


サボりとか許さねえからな！と捨て台詞のように吐いて音駒の就寝部屋へと廊下を歩いていった。

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