2 先輩 ページ2
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「ねぇ」
一時間目と二時間目の間の十分休み。因みに次は数Iの時間だ。
スマホをスクロールしながらのんびりしている月島くんに私は声を掛けた。その声に反応してスマホ片手に顔だけこちらを向いてくれた。
「バレー部の先輩に西谷先輩っている？」
「……いるけど、なんで？」
「中学の先輩で」
思い出したのは中学校お世話になった先輩。
小さいくせに声がでかくて、でもすごい頼りになる先輩。いつかだったか、烏野の制服について熱弁していたのを思い出して、聞いてみた。やっぱり、いるんだ。
「私、バレー部でリベロだったからよくお世話になったんだ」
アドバイスは擬音語が多かったけど、理解すれば分かりやすかったし仲良くしてくれた先輩。憧れていたし、尊敬していた。
目が驚いたように揺れて、けどすぐに澄ました表情に戻った彼。ふーん、と興味がなさそうに相槌を打って聞いている。
「てか、日向さんバレー部だったんだ」
「あっそうだよ！なんか聞かれなかったから秘密にしてたみたいになっちゃった」
「いや別にそこはいいんだケド……高校でやらなかったんだって思って」
そこ、気になるよねやっぱ。何回も聞かれた質問に苦笑いした。月島くんはバレー部だし私からした話だからそんな表情するつもりはなかったけど、癖で。
烏野高校に入学して、クラスメイトの話題はやっぱり部活だ。仲良くなった友達にも授業で同じ班になった男子にも、幾度と聞かれた質問だ。だからかまたかーって顔をしてしまう。
とは言いつつ、大した理由ではない。
「疲れたんだ、チームワークっていうのが。私弱くて逃げちゃった」
女子によくあるゴタゴタしたチームだったのだ。でも試合では強かった。だから余計に人間関係か難しくなって、逃げた。
リベロとして賞も貰ったのはすごい誇らしいことだったけど……やっぱりバレーはチームスポーツだから。
「でも、バレーするのは嫌いになってないよ。むしろ好き」
「へー女子ってめんどくさいんだね」
「うん、めんどくさいよ」
月島くん美形だし、そういう面倒事に巻き込まれてそうだよね。
ついでに付け足すように言うと、また眉をひそめたから図星だって思った。
「女子全員日向さんみたいな人だったらいいのに」
「……それって褒めてる？」
「さぁ？」
どうだろう？知らんぷりを決め込んだ彼にこれは馬鹿にされたやつだと悟った私。
二時間目の用意を忘れていた私は教科書を取りに廊下へ駆けた。
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辛 - 日本語化ちょいちょい変。てにをはもおかしい。無理に難しい言い回しわ使わない方がいいと思う。 (9月11日 12時) (
レス) @page26 id: 5015934a65 (このIDを非表示/違反報告)
む - めちゃくちゃ良かったです。他の作者様だと冷たかったり口が悪い月島が多いですが、このお話の月島は冷た過ぎず、他人に干渉し過ぎず距離感がちょうど良かったです。とても上手に表現していると思います。告白も月島からなのが良かったです。 (2021年4月18日 4時) (レス) id: be1d7978bd (このIDを非表示/違反報告)
KOMORE(プロフ) - むさん» 本当に長らくお待たせしました……！皆の感情にどう現実味を出すかたくさん考えていたのでそうやって受け取って貰い感無量です。全文私にとって嬉しく糧になるお言葉です。読んで下さり本当にありがとうございました！ (2021年2月10日 10時) (レス) id: d075f9ab0b (このIDを非表示/違反報告)
む - 更新楽しみにしていました！ 皆の心の動きがとてもリアルで、ツッキーはこんな子とこういう恋愛をするのだろうな、と胸にストンと落ちました。等身大の高校生なこの作品がとても好きです。 完結おめでとうございます！ (2021年2月9日 2時) (レス) id: 727df39cb7 (このIDを非表示/違反報告)
KOMORE(プロフ) - なづなさん» コメントありがとうございます！テーマとしている高校生感を感じ取って下さりとても嬉しいです……！ゆっくりですが完結までついてきて頂けると有難いです。応援ありがとうございます！ (2020年5月11日 21時) (レス) id: d075f9ab0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：KOMORE | 作成日時：2020年1月14日 22時
