殺 人 病 院

9.（k.k） ページ9

「なんで、手越？」




「えと…軽く説明しますと、凶器は缶コーヒーを切って作った簡易的なものでした。ですので、計画的ではないものだと言われています。それでですね、その缶コーヒーに手越さんの指紋しか付いていなかったので、一応」



スタッフさんは、申し訳なさそうな顔をして手越の方を向いた。




「俺…は、さっきまで休憩所にいて、慶ちゃんに会いました」


…！？
俺をひたすら見つめてくる手越。これは、そういうことなんだろう。


「はい、俺が迎えに行きました。恐らくですけど、休憩所は誰でも入れますしゴミ箱を漁れば、いくらでも凶器に使えると思います。たまたま手越が飲んでいた缶コーヒーが使われたんじゃないですか？」



「そうですね、警察の方にもそう伝えておきます。すみませんが、もう少しの間ここに残っていてください」




そう言うと、スタッフさんは軽く会釈をして楽屋を出ていった。




さて、問題は手越だ。と、俺は声をかけに行こうとしたが既にまっすーが声をかけていた。




「手越…お前どうして」



「…」


「別に警察に突き出したりはしねぇから」


「……今日も人が殺されたから」








「もしかしたらあの人が犯人かも知れないし…？」



「お前、それって…」


俺は慌ててまっすーの口を塞いだ。これを聞いてしまったら、手越は…









冷酷な最悪の殺人鬼になる。

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