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「これ、俺があげたやつだ。ここに置いてくれてるんだー」
増田さんはテレビに近付いて、カバのぬいぐるみを眺めている。
「わ、すげー。座布団に乗ってる。もしかしてこのカバ用に作ったんですか？このちっこい座布団」
『そうです』
何の気なしに余った端布でささっと作っただけの物だったので、増田さんの食いつきに少し驚いた。
「Aちゃんって、優しいですね。こんなぬいぐるみにも座布団作ってくれるんだ」
Aちゃん？って言ったよね？今。
「あ、なんかすいません。いつも大将と奥さんに話聞いてたから、Aちゃんって覚えてて。つい呼んじゃいました」
『え…私の話なんかしてたんですか？』
思わず、寝室の方向を睨む。
「よく聞いてます。前は手芸店で働いてたんですよね？」
『はい。閉店しちゃいましたけど』
「じゃあ、服とか作れちゃうんですか？」
増田さんが期待に満ちた目で見てるような気がするけど…
『いえ。服飾の学校出た人なんかは色々縫ってましたけど。私は小物しか作れません』
「そうなんですか？でも自分で作れちゃうっていいなー。俺、座布団なんか絶対作れないもん」
増田さんは再びカバのぬいぐるみを見てニコニコしている。
『あの…カバお好きなんですか？』
何を聞いてるんだ、私は。
「好きですね。カバとかサイとか、そのへん。ちなみにこいつと色違いで、うちにも一体いるんです。今度俺と一緒に引っ越してくることになるんで、こいつの隣に置かせてもらおうかな」
『そしたら、もう一つ作らないとですね、座布団』
「えー？作ってくれるんですか？」
増田さん、すごく嬉しそうだな。
『これくらいならすぐ作れちゃうんで。増田さんが引っ越してくるまでに作っておきますね』
「ほんとですかー？」
『どんな感じがいいですかね。端布、色々あるので良かったら選びます？今持ってきますね』
二階の自分の部屋に戻って、端切れがいっぱい入った箱をクローゼットから取り出したところで一瞬フリーズした。
あれ、私一体何してるんだろう。
今めっちゃ張り切ってたよね？
しかも、増田さんがうちに来ることも何気に受け入れてたし。
最初に両親にその話をされた時は嫌だって思ってたのに。
実際増田さんと会ってお話してたらすんなり彼のこと受け入れてしまっていた。
両親揃ってが増田さんをいい人だ、と言うように私も増田さんの人柄に早くも惹かれていたみたいだった。
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まり(プロフ) - まりんさん» 最後までお読み頂きありがとうございました。新作upした際にはまたお付き合いください(*ﾟ∀ﾟ*) (2019年6月22日 23時) (
レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
まりん(プロフ) - まりさん、可愛くって素敵なお話をありがとうございました。体調崩されていたのに早々にお話進めて下さって…本当にお疲れ様でした。またいつか素敵なお話に出会える時を楽しみにしています。 (2019年6月22日 23時) (レス) id: 1ea6e87bfb (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - まりんさん» 嬉しいコメントありがとうございます(*^^*)なるべく毎日更新目指して頑張ります！これからもお付き合い頂けたら嬉しいです( *^艸^) (2019年6月22日 20時) (レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
まりん(プロフ) - 毎日更新ありがとうございます。楽しませてもらってます…今回の、可愛すぎて泣けちゃいました。楽しみだけど無理のないように更新されてくださいね。 (2019年6月22日 14時) (レス) id: 1ea6e87bfb (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - ウィローさん» コメントありがとうございます(^-^)毎日更新と言ってもちょっとずつなんで、大したことはないですよ。といいつつ、何日もサボってしまいました(^-^;これからもよろしくお願いします♪ (2019年6月7日 23時) (レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まり
| 作成日時：2019年5月19日 0時
