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『好きに決まってるじゃないですか』
なんでこんな時にそんなこと…
泣きそうになるのを堪える。
「やった」
増田さんはニコって笑って目を閉じた。
「お店は片付けて戸締りしとくから。後で連絡ちょうだいね？」
『うん。お願い』
お店と真っ青な顔して座り込んでた彼女のことは母に任せて救急車に乗り込んだ。
病院に到着してから全く誰も状況を知らせに来てくれないまま、処置室前の廊下で1人で待つこと30分。
ドアが開いて、中から出てきたのはお医者さん、ではなくて増田さん本人だった。
「あ、Aちゃん。待っててくれたんだ」
頭に包帯巻いてるけど、笑ってるし普通に歩いてる。
『大丈夫なんですか？』
「全然大丈夫。なんか頭って血管いっぱいあるから必要以上に血出るらしくて。
でも、びっくりしたよね」
『良かったです』
身体から力が抜けて廊下に並んだ椅子に座り込む。
あれ？
『どうしたんですか？これ』
増田さんの右手には包帯がぐるぐるに巻かれていた。
額からしか出血してなかったはずだけど…
「小指折れてた」
何故か満面の笑みで右手を私の目の前にかざしてくる。
「俺も頭の怪我ばっか気になって全然気づかなかったんたけど、折れてますねって言われて、そう言えば痛いかもって…」
『そんなことあります？』
しかもさっき右手で私の事撫でてくれてたよね？
「うん、あるみたい。なんならこっちの方が重症だし。
それで、頭打ってるから念の為今日だけ入院だって」
心配させないように元気に振る舞ってくれているのか、もはや頭も手も全然痛くなさそう。
「増田さーん。病室案内しますね？」
車椅子を押した看護師さんが声をかけてきた。
「あ、大丈夫です。歩いて行きます」
何故か車椅子を拒否して、看護師さんの1歩後ろを並んで歩く。
包帯がない左手が伸びてきて、手を繋いでいたら病室の前で振り返った看護師さんに見られてしまった。
「仲良しなんですね」
「そうなんです。自慢の彼女です」
手を離すことなくさらっとそんなこと言うから、顔が熱くなった。
「入院の書類持ってくるので、着替えて待っててください」
ベッドの周りのカーテンを閉めて看護師さんがいなくなる。
「Aちゃん」
ベッドに腰掛けた増田さんに手招きされて近付くと、腰に手を回され身体が密着した。
「好きだよ。最初がこんな場所でごめん。
でも今したい」
頷いて目を閉じると、唇が塞がれた。
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まり(プロフ) - まりんさん» 最後までお読み頂きありがとうございました。新作upした際にはまたお付き合いください(*ﾟ∀ﾟ*) (2019年6月22日 23時) (
レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
まりん(プロフ) - まりさん、可愛くって素敵なお話をありがとうございました。体調崩されていたのに早々にお話進めて下さって…本当にお疲れ様でした。またいつか素敵なお話に出会える時を楽しみにしています。 (2019年6月22日 23時) (レス) id: 1ea6e87bfb (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - まりんさん» 嬉しいコメントありがとうございます(*^^*)なるべく毎日更新目指して頑張ります！これからもお付き合い頂けたら嬉しいです( *^艸^) (2019年6月22日 20時) (レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
まりん(プロフ) - 毎日更新ありがとうございます。楽しませてもらってます…今回の、可愛すぎて泣けちゃいました。楽しみだけど無理のないように更新されてくださいね。 (2019年6月22日 14時) (レス) id: 1ea6e87bfb (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - ウィローさん» コメントありがとうございます(^-^)毎日更新と言ってもちょっとずつなんで、大したことはないですよ。といいつつ、何日もサボってしまいました(^-^;これからもよろしくお願いします♪ (2019年6月7日 23時) (レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まり
| 作成日時：2019年5月19日 0時
