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｢もしかしてこの人、新しい彼女なの？
スーツ着て地味な感じだから出版社の人だと思ったけど｣
「いや、それは違う…」
元カノから私を隠すように、加藤さんが二人の間に立つ。
別に特別オシャレしてるわけでは無かったけど、地味なつもりも無かったよ。
改めて言われるとちょっと傷つくかも。
なんて、思いながら目の前の加藤さんの背中を見つめる。
元カノと加藤さんの攻防が続いていた。
｢なによ。他に好きな人出来たからって別れたくせに。じゃあこの人は何？｣
あれ？加藤さん好きな人がいるから別れたの？
前聞いた話だと彼女の性格が…みたいな感じだったのに。
「もしかしてその｢好きな人｣にフラれちゃったの？
だったら私また付き合ってもいいよ？」
「いや、だから…」
あ。もしかして別れるための口実で好きな人がいるってことにしたのかも。
それなら…
『すいません。今私、彼と付き合ってるんです』
そう言って右腕にしがみつくと、加藤さんが目を大きくしてこっちを見た。
いつになく顔が近くてドキドキしてしまうけど、ここで離れる訳にはいかず、目を逸らしたいのをなんとか堪える。
『ねぇ、シゲくん。お腹空いた。早く帰ろ？』
「うん、そうだな。
そういう訳で。じゃあな」
ポケットから鍵を取り出すと、加藤さんはドアを開けて私の手を引く。
呆然としてる元カノに軽く一礼して部屋に入ると、加藤さんはあの日私の部屋でしてたみたいに、すぐに鍵をかけてのぞき穴からドアの外を覗いた。
「行ったみたい。
なんか、ごめん。でもすげー助かった」
そう言って加藤さんは靴を脱いで部屋に入ってく。
「今日鍋にしようと思ってさ。Aちゃんの部屋に運んでいい？」
『それはもちろんいいですけど、加藤さん…』
慌てて自分も靴を脱ぎ、キッチンで具材を詰め込んだ土鍋を用意する加藤さんのそばに移動する。
『なんか、勝手なことしちゃってすいませんでした』
とりあえずあの場では元カノから逃れることは出来たけど、結果的にこれで良かったとは限らないよね。
「なんで謝るの。だからすげー助かったって。これで諦めてくれるよ、きっと」
そう言って、加藤さんは笑ってくれる。
『でも、加藤さん…』
「いや、あのさ…」
『はい？』
急に言葉を遮られ、やっぱり何かマズかったかと不安になる。
「もうさっきみたいに呼んでくれないの？
『シゲくん』て」
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まり(プロフ) - ぽ わ た す 。さん» コメントありがとうございます(*^^*)読者の方には主人公に自分を重ねて読んで頂けたら、と思って書いていたので嬉しいです(*^ω^*)これからも引き続きよろしくお願いします！ (2019年3月20日 0時) (
レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
ぽ わ た す 。(プロフ) - 初めまして！情景が本当に浮かんでウキウキしながら読んでました！主人公の自信の無い感じとか自分に重ねたり、としていましたが、本当にいい作品です！次作も読もうと思うので楽しみにして待ってます（≧∇≦） (2019年3月19日 23時) (レス) id: 1a6840d4ff (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - ゆっちゃんさん» コメントありがとうございます(*^^*)嬉しいです(>ω<〃)〜引き続きお付き合いよろしくお願いします！ (2019年3月19日 23時) (レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっちゃん - シゲ担なんでこれ読むたびにキュンキュンしますww 他の３人のも読もうと思ってます！お疲れ様でした！頑張って下さい(о´∀`о) (2019年3月19日 23時) (レス) id: cfad8bd8ff (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - 麗さん» コメントありがとうございます(*^^*)何回も読んで頂けてるということで、とっても嬉しいです(o´艸`)これからも引き続き宜しくお願いします。 (2019年3月2日 14時) (レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まり
| 作成日時：2019年2月14日 0時
