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結局そのまま寝てしまい、もう一度目覚めた時にはお昼をまわっていた。
『ほんとにごめんなさい。散々迷惑かけて、その上シゲくんのベッドで昼まで寝るとか。
ほんと信じらんない…』
ひたすら謝る私をシゲくんが笑って見てる。
「その感じだと朝よりだいぶ調子良さそうね。簡単なのしかないけど、一応朝ご飯?昼ご飯?出来てるよ」
『重ね重ねすいません。シャワー浴びてきます』
「はいはい。いってらっしゃい」
ベッドから下りてシゲくんに見送られながら自分の部屋に戻った。
カギは何故か手帳に挟まっていた。
これじゃあパッと見どこにあるかわかんないもんね。目立つキーホルダーでもつけとかないと。
熱めのシャワーを浴びながら、どんどん自己嫌悪に陥る。
ほんと、サイテー。
シゲくんがせっかく誘ってくれてお店も予約してくれたのに。
初めての外食だったのに。
しかも昨日のことは半分も思い出せない。
シゲくんに幻滅されちゃったかな。
もう一度ちゃんと謝ろう。
手早く髪を乾かして、シゲくんの部屋へ戻る。
「おかえり。用意できてるから食べなよ。二日酔いにしじみ汁とかド定番だけど」
小さなテーブルにご飯としじみ汁と卵焼きが並べてある。
「あとこれ。俺が漬けた梅干し。美味いから食べてみな」
『シゲくんの分は?』
明らかにどれも一人分しか並べられていない。
「俺はAちゃんが寝てる間に食べたし」
もう、ほんとに私。シゲくんがご飯食べてても気付かず寝てたの?
『あの、シゲくん。ほんとにほんとに、ごめんなさい。せっかくシゲくんがお店まで予約してくれたのに酔っ払っちゃうし、ずっと寝てるし、何もかもダメなことばっかりで』
私の話を一通り聞きながらシゲくんは笑ってる。
「いや、別に俺何も嫌な思いしてないし。
むしろ色んなAちゃんの姿見れて嬉しかったくらいで、そんなに言われると逆に申し訳なくなっちゃうんだけど」
もう。ダメだよシゲくん。
いい人すぎるよ…
『いや、シゲくんが申し訳ないとか思っちゃダメで。
完全に私が悪いやつで。ほんとに、何でもするんで』
「え?何でもしてくれんの?」
『え?あ、はい。出来ることであれば…』
シゲくんが急に不敵な笑みを浮かべたような気がした。
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まり(プロフ) - ぽ わ た す 。さん» コメントありがとうございます(*^^*)読者の方には主人公に自分を重ねて読んで頂けたら、と思って書いていたので嬉しいです(*^ω^*)これからも引き続きよろしくお願いします! (2019年3月20日 0時) (レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
ぽ わ た す 。(プロフ) - 初めまして!情景が本当に浮かんでウキウキしながら読んでました!主人公の自信の無い感じとか自分に重ねたり、としていましたが、本当にいい作品です!次作も読もうと思うので楽しみにして待ってます(≧∇≦) (2019年3月19日 23時) (レス) id: 1a6840d4ff (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - ゆっちゃんさん» コメントありがとうございます(*^^*)嬉しいです(>ω<〃)〜引き続きお付き合いよろしくお願いします! (2019年3月19日 23時) (レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっちゃん - シゲ担なんでこれ読むたびにキュンキュンしますww 他の3人のも読もうと思ってます!お疲れ様でした!頑張って下さい(о´∀`о) (2019年3月19日 23時) (レス) id: cfad8bd8ff (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - 麗さん» コメントありがとうございます(*^^*)何回も読んで頂けてるということで、とっても嬉しいです(o´艸`)これからも引き続き宜しくお願いします。 (2019年3月2日 14時) (レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まり | 作成日時:2019年2月14日 0時