12. ページ12
.
―――――翌朝
あ、やべぇな…。
昨日、日本に帰ってきてからなんとなく調子が良くなくて…
なんなら、帰りの飛行機から喉が痛い気がしてた。
今朝起きたら明らかにヤバい。
絶対高熱なのはわかってたけど、Aちゃんには悟られたくなくて、仕事の集合時間を間違えていたということにしてすぐに着替えて家を出てきた。
マネージャーに事情を話して迎えに来てもらい、仕事前に病院へ連れていってもらう。
外国帰りということで念のため色々検査したけど結局風邪で、点滴を受けて何とか収録を乗り切った。
「ただいま…なんかまだ時差ボケみたいで。ちょっと寝るわ」
帰宅するなり、ベッドに直行する。
点滴直後は少し良くなった気がしたけど、時間が経つに連れてまた症状はひどくなっていた。
頭がぐるぐるする。
『祐也くん?大丈夫?』
Aちゃんがベッドの横に立って声をかけてくれてる。
調子悪いの、バレちゃったか。
おでこにひんやりとした手が触れたかと思うと、Aちゃんは寝室から出ていった。
いつの間にか眠っていた。
まだ頭がガンガンする。
手に何か触れて、横を見るとAちゃんがベッドに突っ伏していた。
「Aちゃん…」
頭を少し起こすと、濡れタオルがはらりと落ちる。
『祐也くん?どう?暑い?寒い?』
ハッと目を覚ましたAちゃんは、すかさず俺の心配をする。
『まだ熱いね』
おでこを触ると、起きあがりかけの俺の肩を軽く押して再びベッドに寝かせる。
「だいぶマシになったから大丈夫だよ。明日の朝には完璧に治るから」
何とか笑って見せる。
『無理しないで。かなり熱高いよ。
何かしてほしいことあったら何でも言って』
「じゃあさ…」
『ん?』
布団を掛け直そうとしたAちゃんの手が止まる。
「手、握っててくれない?」
布団から片手を出して差し出すと、
『早く良くなるといいね』
Aちゃんは両手で優しく俺の手を包み込んだ。
207人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まり(プロフ) - おおぞらさん» コメントありがとうございます(*´ω`*)次回作も引き続きよろしくお願い致します。 (2018年12月15日 9時) (レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
おおぞら(プロフ) - 連載お疲れ様です!とても面白くて毎回楽しみにしていました!次回作が楽しみです! (2018年12月15日 8時) (レス) id: 4a9296845e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まり | 作成日時:2018年11月11日 21時