40. ページ40
.
───side Y───
寝ぼけて一瞬ここがどこか分からなかった。
カタカタという音の方を向けば、パソコンに向き合ってる背中が目に入る。
つーか、腰痛ってぇ。
すげー体勢で寝ちゃってたな。
「こら。今日は休みでしょ。仕事は禁止ー」
後ろから声をかけると、背中がピクっと小さく跳ねる。
『大丈夫です。もう完全復活したんで。
それより、コーヒー持ってきますね』
「いや…」
立ち上がろうとするAちゃんを制して自分が立ち上がる。
「帰るわ。
Aちゃん、もう元気そうだし」
とは言っても身体はカチコチで足は地味に痺れてすぐには動き出せず、とりあえずその場でストレッチする。
様子を見にきたのに、寝てしまった。
ここでまたコーヒーなんて飲んで寛いでしまったら、もう今日は帰りたくなくなってしまう。
『帰っちゃうんですか？』
「何？やっぱ泊まっていいの？」
『はい』
なんでそんなに寂しそうな顔してんの。
ん？待って待って。
『はい』って言わなかった？
「そしたら今日はAちゃんのベッドで…」
『はい』
ダメです、って言わない。
どうしたのよ。
俺がここで寝てた間に何があった？
『そしたら、お風呂入ります？
高校の時のジャージで良ければお貸しします』
マジでどーした？
熱、はもう無さそうだし…
「何？俺のこと好きになっちゃった？」
『はい』
なんでよ。
『なってません』じゃないの？そこは。
嬉しいはずなのに、Aちゃんの反応一つ一つに違和感を感じてしまう。
「じゃあ、俺と付き合っちゃう？」
『…よろしくお願いします』
マジかー。
いや、もういいや。
もしこれがドッキリだったとしても何かの間違いだったとしても…
とりあえず今の俺、幸せの絶頂にいるのは間違いないよね？
「ありがと。めっちゃ嬉しい」
思わず椅子ごと後ろから抱きしめた。
もちろん、『やめてください』なんて言われなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 78人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まり(プロフ) - ダブルシュークリームさん» こんにちは！コメントありがとうございます☆これからも更新頑張りますのでお付き合い頂けたら嬉しいです(^-^) (2020年9月17日 7時) (
レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
ダブルシュークリーム(プロフ) - まりさんの作品大好きです！とても面白いのでいつも更新楽しみにしてます ！ (2020年9月16日 7時) (レス) id: badfa15fc6 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - さくらさん» こんにちは！嬉しいコメントありがとうございます☆更新頑張ります！ (2020年9月2日 0時) (レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - こんにちは 初めてコメントをさせていただきましたが、まりさんの作品大好きでいつも楽しみに読ませていただいています。更新楽しみにしています。 (2020年9月1日 10時) (レス) id: 866f139959 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まり
| 作成日時：2020年8月25日 2時
