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「何？忘れ物？
って、可愛いコ捕まえてきたじゃん」
ビルの地下のバーのドアを開けると、テーブルを片付けていたバーテンダーが手を止めてこちらを見る。
どうやら副社長は数分前までここにいたらしい。
「座って座って。何飲む？」
『いや、でも…』
「だって、今外に出たら鉢合っちゃうよ？
逃げようとしてたでしょ？あの集団から」
…そうだった。
てか、あの集団が会社の人たちだってのも気付いてないのかな。
『あ、それより。
シャツ汚しちゃいました。ごめんなさい。クリーニング代お支払いしますから』
「ん？あー、別にいいよ。
大した汚れじゃないし。普通に洗濯機で十分。
そんなことよりさ、Aさんて言うんだね。下の名前は？なんて言うの？」
『えーと…』
さっき聞かれてたんだ。
ほんと、これ以上バレないようにしないと。
『…初音、です』
咄嗟に目の前に並んだお酒の瓶のラベルの漢字を読み上げた。
「へぇ。A初音ちゃんか。
可愛いね」
全然可愛くなんか無いです。
嘘ですし…
てか、副社長ってチャラそうなイメージではあったけど、その通りだったというか…
こうやってよくナンパしてるんだろうか。
「そう言えば、初音って酒があるよ」
バーテンダーが｢初音｣の瓶を手に取って見せてくる。
そりゃそうですよ。私の名前の由来はそれですもん。
「ほんとだ。すげー。
それ飲もうよ」
『いや、日本酒はあまり…』
「いや、運命じゃね？
初音ちゃんと出会って一緒に初音を飲むっていう…」
断ったつもりだったけど、副社長は聞いてないし、バーテンダーはこれは甘くて飲みやすいとか言いながら既にグラスに注いでる。
日本酒どころかビールも飲めない私が、少しくらいならいいかと初音に口をつけてしまったのがこの事件の入り口だった。
元々かっこいいとは思っていたけど、副社長が王子様のように見えてきていた。
しかも、可愛いとかもっと一緒にいたいとか、甘い言葉を次々と投げかけてくる。
「祐也はこれでも副社長なんだよ」
先にバーテンダーがそう言ってくれてたから、何度かうっかり『副社長』と呼んでしまっても怪しまれなかった。
その度に「祐也って呼んでよ」って言われたけど。
それから2時間後。
私は迷うことなく副社長に続いてホテルのエレベーターに乗り込んだ。
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まり(プロフ) - ダブルシュークリームさん» こんにちは！コメントありがとうございます☆これからも更新頑張りますのでお付き合い頂けたら嬉しいです(^-^) (2020年9月17日 7時) (
レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
ダブルシュークリーム(プロフ) - まりさんの作品大好きです！とても面白いのでいつも更新楽しみにしてます ！ (2020年9月16日 7時) (レス) id: badfa15fc6 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - さくらさん» こんにちは！嬉しいコメントありがとうございます☆更新頑張ります！ (2020年9月2日 0時) (レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - こんにちは 初めてコメントをさせていただきましたが、まりさんの作品大好きでいつも楽しみに読ませていただいています。更新楽しみにしています。 (2020年9月1日 10時) (レス) id: 866f139959 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まり
| 作成日時：2020年8月25日 2時
