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私のマンションを出たところで解散してから一度自宅に戻ったらしく、増田さんはさっきと全然違う服装で現れた。
「A、1人？」
『そうだよ』
アレンジメントの講師もしている母は、今日は教室に出ていた。
「なんだ。Aのお母さんに挨拶しようと思ってたのに」
そう言って、紙袋をこちらに差し出す。
『お菓子？
でもお母さんは、私と増田さんが知り合いだって事知らないから、びっくりしちゃうよ』
「俺がAんとこに泊まってるって言ったら驚くかな」
『…うん』
そんなこと絶対言えないよ。
「和真さんの知り合いだって言えばいいじゃん。
まぁその辺はAに任せるけど、よろしく伝えといて」
『わかった。ごちそうさま』
ちなみに和真さんというのは、私の叔父さんのこと。
「しっかし…想像通りオシャレでいい感じのお店だわー」
大して広くない店だけど、増田さんはくまなく見て回る。
うん、すっごい違和感。
増田さんがうちの花屋にいるとか。
「Aのオススメは？どれ？」
そういえば、お花買って家に飾ることあるって、何かのインタビューで言ってたもんね。
『そうだなぁ。定番のバラとか…
あとはガーベラ？
見た目も可愛いしネガティブな花言葉が無いから、とりあえずガーベラをおすすめすることが多いかも』
「そうなんだ。じゃあ、これください」
増田さんが指さしたのは黄色のガーベラ。
黄色選ぶんだ、ってちょっと嬉しくなる。
『はい、どうぞ』
ラッピングして黄色のリボンを付けといた。
プレゼントするつもりだったのに、増田さんはどうしても買うって言って、お金を置いてった。
「これから事務所で打ち合わせだから、もう行くね。夜連絡出来たらするから」
『うん。またね』
黄色いお花持って歩いてく後ろ姿の写メ撮りたいのを必死に我慢して、見送った。
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「おつかれー」
『うわっ。びっくりした』
出来たら連絡するって言ってたくせに全く連絡なんかせず、何故か増田さんは私のマンションの前で待っていた。
『言ってくれたら寄り道しないですぐ帰ってきたのに』
やっぱり合鍵渡しとくべき？
でも万が一、ヲタグッズが見つかっちゃったら困るしなぁ。
「いいよ別に。大して待ってないし。
はい、これ。Aにプレゼント」
それは、昼間私がラッピングした黄色のガーベラだった。
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まり(プロフ) - なつさん» コメントありがとうございます！尊敬なんて、おそれ多いです^^;これからも毎日更新頑張ります☆ (2020年7月26日 2時) (
レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - 初めまして。いつもよませていただいてます。わたしも書き手ですが、まり様は内容が面白いだけでなく毎日更新もされていて尊敬するばかりです！これからも応援しています！ (2020年7月25日 2時) (レス) id: 0189702ceb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まり
| 作成日時：2020年7月2日 2時
