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それからは私の一人暮らしのマンションで一緒に過ごす時間が圧倒的に長くなった。


仕事の合間にも来てくれるし、仕事が終わって夜遅くにやってきて一眠りして朝になったら帰ってくなんて事も…

母の花屋が定休日の火曜は予告無しに訪ねてくることだってある。


大して広くもない私の部屋を居心地いいって褒めてくれるから、ここ数か月はだいぶ気合い入れて部屋を綺麗にしてる。

それに私が作ったご飯を美味しいって言っていっぱい食べてくれるのも嬉しかった。






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「何なの?その関係…友達?実家?」


電話の相手は叔父さん以外で唯一事情を知ってる友達のユキちゃん。


『何でもいいんだよ。
近くにいれるだけで幸せなんだから』

「でもさぁ…よく考えたら、ただ都合よく使われてるだけじゃない?
告ってみたら?絶対まっすー、Aのこと好きでしょ。彼女としてそばにいる方が絶対幸せじゃん。ずっと家にばっかいないでデートしたいとか思わないの?」


デートかぁ。
一緒にご飯とかはあったけど、彼女としてなんて夢のまた夢。


『私は今のままで十分幸せだからこれでいいの』


今のこの状況でかなりミラクルなのに、これ以上のことを望んだらバチが当たる。

それに、告白失敗して二度と会えなくなったりしたら…


「そうなの?
あんなにまっすーまっすー言ってたのに、よく普通にしてられるね」

『そこはまあ、何とか頑張ってるよ』


残念だけどもうヲタ活は出来ないかな。

見つかる前に押し入れのグッズ達を処分しようかと何度か思ったけど、未だにそれは出来ていなかった。









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『増田さん。そろそろ起きる時間だよ』


「ん。おはよ…」

控えめに声をかけてみたけど、増田さんはすぐに反応した。


『まだ時間ある?パンがあるんだけど』

「食べる食べる。
めっちゃお腹空いてたんだよね」



増田さんはパンを2つすごい速さで食べて、それからすぐに身支度を整えた。


「仕事終わったらまた来ていい?」

『いいよ。何かご飯作っとく?』

「いや、多分遅くなるからいいよ。じゃあまた後で」

『うん。またね』



『いってらっしゃい』は心の中で伝えた。

本当、何なんだろうこの関係。


ユキちゃんが言ってた通り、増田さんは実家みたいな感覚で来てるのかな。

じゃあ、私は…お母さん?



まあいいか、お母さんでも。
とにかくどんな形でも近くにいられたら…

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まり(プロフ) - なつさん» コメントありがとうございます!尊敬なんて、おそれ多いです^^;これからも毎日更新頑張ります☆ (2020年7月26日 2時) (レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - 初めまして。いつもよませていただいてます。わたしも書き手ですが、まり様は内容が面白いだけでなく毎日更新もされていて尊敬するばかりです!これからも応援しています! (2020年7月25日 2時) (レス) id: 0189702ceb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まり | 作成日時:2020年7月2日 2時

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