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雨音の中、耳を済ませて増田さんが近付いて来るのを察知する。



「さみー」

そう言いながら、増田さんが入ってくるけど私は背中を向けたまま。


増田さん、今どうなってるの?
タオル巻いてるのかな…

増田さんが雑誌とかテレビで上半身を露出した時は穴が空くほど凝視しまくったのに、いざ本物が目の前に来ると全然見ることが出来ない。



「それにしても雨全然止まないね」

『そうだね…』


遂に増田さんが私のすぐ横に来た。

肩と肩が触れそうでピクリとも動けない。


「A、疲れたんでしょ。長時間運転したし」

『ちょっとだけ…』


ダメだ。
いつも通りに会話なんて無理だよ。

お湯の温度は全然ぬるめだけど、この状況も手伝って逆上せちゃいそう。



『そろそろ上がるね』

「そっか。早いね」

『絶対後ろ向かないでね』

「向かないよ…多分」

『ほんとに』

「見ないって」


その言葉を信じつつも素早くお湯から出て中に戻った。

増田さんには絶対見るなとか言っといて、私は戻る直前、増田さんの方を見てしまった。


暗闇の中に逞しい背中が見えて、身体が一層熱くなった気がした。









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寝室にはセミダブルサイズのベッドが2つ並んでいた。


『増田さん、どっちがいい?』

「Aが選んでいいよ」

別にどっちでもいいんだけど…


でも窓側は雨音結構聞こえるし、増田さんが壁側がいいか。


窓側のベッドを選ぶと、何故か増田さんもこっちに入ってくる。


『なんで?』

「なんでって…
今日は別々とか寂しくない?」


それもそうか。
最近はうちのシングルベッドにさえ一緒に入ってくるしね。

そしたらあっちのベッドにすれば良かったかな。


だけど、


「おやすみ」

増田さんが早々にベッドサイドのスイッチを押して照明を落としたから、そのまま窓側のベッドで寝ることにした。



「たまにはこうやって遠出するのもいいね。
今度まとまった休み取れたら、もっと遠くに行こうよ。新幹線とか、飛行機とかで」

『そうだね』


新幹線とか飛行機は別々に乗らなきゃダメだよね…

でもそれが叶ったら嬉しいな。



いつもみたいに増田さんの腕が頭の下に差し込まれる。

雨音とかいつもと違う緊張感みたいなのより運転疲れの方が勝ってたらしく、すぐに眠ってしまった。

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まり(プロフ) - なつさん» コメントありがとうございます!尊敬なんて、おそれ多いです^^;これからも毎日更新頑張ります☆ (2020年7月26日 2時) (レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - 初めまして。いつもよませていただいてます。わたしも書き手ですが、まり様は内容が面白いだけでなく毎日更新もされていて尊敬するばかりです!これからも応援しています! (2020年7月25日 2時) (レス) id: 0189702ceb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まり | 作成日時:2020年7月2日 2時

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