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『帰りましょ?先生』

先生はお疲れらしく、白衣のまま診察室の椅子に座ってる。


って言っても、これから私を乗せて車を運転してもらうんだけど。

私もそろそろ運転免許を取ろうかなんて思い始めている。


「はいはい、帰りますよ。
帰るけども…Aさ」

『はい?』

荷物を纏める手を止めて振り向くと、先生は随分思い詰めた顔してる。


『え、何?どうしました?』



「いつまで俺の事、先生って呼ぶわけ?」


『なんだ、そんなことか』

別れようとか言い出すのかと思った。


「いや、そんな事って。結構重大な問題なんですけど。
俺はだいぶ前からAって呼んでるし、一応付き合ってるじゃん?俺ら」

そうだけど…

でも付き合ってても先生は先生だし、あまり気にしてなかった。



『じゃあ、なんて呼べばいいですか?』

「いや、それ俺に言わす?」

『え?じゃあ…』


加藤シゲアキだから…

加藤さん。
だと、苗字かよとか言われる?

シゲアキ、さん?


『あ、シゲくん』

栗原さんも大崎さんもそう呼んでるもんね。


『じゃあ、シゲくんにします』

「まぁいっか」

ようやく、先生…シゲくんは立ち上がって白衣を脱ぎ始める。



「加藤さんとか言ったら、自分も加藤になるのに?って言ってやろうと思ったけど」


ん?

『今、さらっとプロポーズしました?』

「んー。まあ、したと言えばしたかな。
どう?加藤になる気ある?」


いや、突然すぎるよ。


でも、嫌なわけはない。

ずっとシゲくんの傍にいれるなんて、幸せすぎる。



『よろしくお願いします』



「良かった。
実は近くに家建てようと思ってて、駅裏で最近宅地分譲してるじゃん?もう押さえてんのよ」


『いや、宅地分譲とか知らないですし…』

てか近くの賃貸にお引越しではなくて、家建てちゃうんだ。


「どうした?いつになくテンション低いな」

『先生…シゲくんがいつになくアクティブだからちょっとびっくりしちゃって』


「嫌だった?」

『嫌なわけないです。
どんなシゲくんも好きですから』



「俺も、どんなAも大好き」

後ろから私を抱きしめたシゲくんがこめかみに軽くキスした。







end.

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まり(プロフ) - ゆんさん» 最後までお読み頂きありがとうございました(*^^*)今後もお付き合い頂けたら嬉しいです! (2020年5月25日 23時) (レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - まりさんの書くお話が大好きで毎回とても楽しみにしています!今回もドキドキしたりちょっと胸がツンとしたり素敵な時間でした!ありがとうございます! (2020年5月25日 12時) (レス) id: 32c7b28952 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - 彩耶さん» いつもありがとうございます☆今作も最後までよろしくお願いします(*^^*) (2020年4月30日 23時) (レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
彩耶(プロフ) - 新作おめでとう。最後まで楽しく読みます☆ (2020年4月29日 17時) (レス) id: 357029ce8a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まり | 作成日時:2020年4月29日 2時

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