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先生、いる。
『おはようございます…』
奥に気配を感じて声をかけた。
「あら。おはよう。待ってたわよ」
顔を出したのは小山先生ではなくて、英語の白石先生だった。
「どうぞ座って？小山先生は今授業中だから」
机の上には昨日小山先生が言ってた通り、各教科の課題が置いてあった。
世界史から手をつけようとして、やっぱり止めた。
世界史は先生がいる時にやったらいいかな、なんて思ったから。
「紅茶でいい？」
白石先生が慣れたような手つきでマグカップとティーバッグを用意する。
ここ、社会科準備室だよね。なんで？
実際小山先生だって誰も来ないって言ってたし。
白石先生のこの感じは、明らかによく来てるっぽい。
「じゃあ、ごゆっくり」
『ありがとうございます…』
机の上にマグカップを置いて先生は扉の方へ向かう。
「それにしても…」
そのまま出ていくのかと思ったら振り返って話しかけてきた。
「小山先生がいてくれて良かったわね。
あなたのこと、随分心配してたのよ。
今日、Aさんが来てくれるって凄く喜んでた」
『そう、なんですか』
先生…
そんなこと言ってたんだ。
「凄く生徒思いだものね。
でも、好きになっちゃダメよ？」
え？
急に声のトーンが変わった気がして身体が強ばった。
気のせい？
目の前の先生は相変わらずニコニコしたまま。
「小山先生、優しすぎるから」
『大丈夫です。そんな風に思ってませんから』
「そうよね。じゃあ課題頑張って」
小さいガッツポーズみたいなのをして見せて、先生は出て行った。
なになに？
何だったの？今の。
来て早々、モヤモヤが止まらない。
クラスのみんなに誤解されたことが根本的な問題で一番の悩みだったはずなのに。
何してるんだろう、私。
白石先生の言う通りなんだよね。
きっと誰にも相談出来ないで一人で悩んでる時に小山先生に構ってもらって舞い上がってたんだ。
バカだな…
これから私、どうなるんだろう。
このまま卒業までここに通う？
…訳ないよね。
結局高校やめることになるんだろうか…
帰りたい…
何もしないまま、1時間目終了のチャイムを聞いた。
「あ、Aさん。来てくれたんですね」
すぐに小山先生がやってきた。
やっぱり帰ります。
そう言おうと思ってたのに、結局バカで単純な私は、小山先生の優しい顔を見てまだ一緒にいたいと思ってしまった。
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まり(プロフ) - いちごさん» コメントありがとうございます(*^^*)おかしな終わり方しちゃってすいません(^^;他の作品も読んで貰えたら嬉しいです。 (2020年4月27日 2時) (
レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - 初めて作品読ませてもらいました！続き気になりすぎてコメントしちゃいました！機会があれば二人の今後見たいです！他の作品も読ませてもらいます。これからも頑張ってくださいね！応援してます！ (2020年4月25日 0時) (レス) id: a45e33d20f (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - 彩耶さん» いつもありがとうございます。おかしな終わり方してしまってすいません(`-д-；)次作もぜひよろしくお願いします！ (2020年3月27日 23時) (レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
彩耶(プロフ) - 完結おめでとうございます。今作も楽しかったです！続きも気になりますね…次作も楽しみにしています (2020年3月25日 10時) (レス) id: 357029ce8a (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - 彩芽さん» ありがとうございます。全部読んでくださってるなんて、嬉しいです(*^^*)これからも更新頑張ります！ (2020年3月17日 2時) (レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まり
| 作成日時：2020年3月12日 3時
