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──side YOU──
手越くんはイメージ通り、ポジティブでとっても優しい人だった。
夢を見ているかのようだった。
私の絵を褒めてくれて、その絵を欲しいと言ってくれて、昼休みの屋上に誘ってくれて…
手越くんが好きな女の子はいっぱいいるのに、私なんかが2人きりで話していいのだろうか。
そう思いつつも、この幸せな時間を拒む事なんて出来なかった。
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「ねぇ、たまにはお店手伝いなさいよ。
酔っ払いなんて適当にあしらってりゃあいいんだから」
『バイト、行ってきます』
母の言葉は完全にスルーして家を出た。
実の娘に水商売を勧める親なんて、私は到底受け入れられない。
高校卒業したらすぐにあんな家出るんだ。
本当は校則で禁じられているけど、小さなお弁当屋さんでアルバイトをしている。
空き時間や帰りに余ったお惣菜を食べさせてもらえるから、バイトがある日はあの家で下の店舗から聞こえる下手なカラオケを聞きながら1人でカップラーメンを啜ったりしなくてもいい。
「今日は暇だったね」
『そうですね…』
暇な時ほど時間は長く感じるものだけど、今日はバイト中もずっと昼間の手越くんとのやり取りを思い浮かべていたおかげか、あっという間に閉店の時間になった。
普段は電車を使っているが、あえて30分程の道のりを歩いて帰ることもある。
今日はすぐに帰りたい気分では無いから、歩いて帰ろう。
そう決めて、店を出た。
「Aちゃん。おつかれ」
本日2度目の手越くんの不意打ちに、頭が追い付かない。
「バイトしてるんだ」
『いや…その…』
しかも、禁止されてるのにバイトしてるのがバレてしまった。
「大丈夫大丈夫。誰にも言わないから」
そう言ってニコニコしてるけど、なんでここに…
「うち、こっから徒歩圏内なんだけど、Aちゃんちもこの辺なの？」
『私は電車で来てて…』
慌てて首を振る。
うっかり一緒に歩いて、家の場所がバレるのが嫌だった。
やっぱり今日は電車で帰ることにする。
「そうなんだ。じゃあ駅まで一緒に行こっか」
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今日は一日中、手越くんと一緒にいたような感じだった。
半分ニヤケ顔で家の前まで来て、鍵を持っていなかったことに気付く。
僅かな望みに賭けて、ドアノブを回してみたけどやっぱり開かなかった。
こうなると母の店を通って行くしかない。
あー、最後の最後にツイてないな。
一度大きく息を吐いて店のドアを開けた。
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なのはなさいた(プロフ) - 初めて読ませて頂きました！すごく面白いです！楽しませていただいてありがとうございます！！ (2020年6月5日 0時) (
レス) id: 9a9c48371e (このIDを非表示/違反報告)
ラーク(プロフ) - 大変失礼致しました。 (2020年5月9日 20時) (レス) id: bda1f630a7 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - ラークさん» 申し訳ありませんが、そちらの作品は私の作品ではございません。 (2020年5月9日 18時) (レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
ラーク(プロフ) - こちらからすみません。Secret Love、シゲアキ先生と恋をします、のパスワードを教えていただけますか？よろしくお願いします。 (2020年5月9日 17時) (レス) id: bda1f630a7 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - 彩耶さん» 最後までお付き合い頂きありがとうございました！また機会があればよろしくお願いします。 (2020年3月10日 2時) (レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まり
| 作成日時：2020年2月10日 13時
