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──side Y──
やっぱり探してたか。
「もしかして…これ、探してた？」
フリーズしている彼女に近づいて、俺の顔が描かれた紙を差し出す。
「ごめん。ちょっとグシャグシャになっちゃったけど…」
だけど下を向いたまま、全く受け取ってくれない。
「ねぇ、これ…俺がもらってもいい？」
『え？』
不意に顔を上げた彼女と間近で目が合った。
だけど、またすぐに俯いてしまう。
「これ、Aちゃんが描いたんでしょ？
めっちゃ上手いね。俺、絵だけはほんとに苦手だからさ…」
『どうして、名前…』
あ、答えてくれた。
でも目は合わせてくれない。
これはまた、俺以上の人見知りだな。
「あー、聞いた。A組の女子に」
エマの友達は昨日の夜に名前を思い出したけど、今またすぐに出てこなかった。
正確には、苗字だけ聞いて名前は自分で確認したんだけど、そこは割愛した。
『気持ち悪くないの？』
「何が？」
言われている意味がわからなくて首を傾げる。
『知らない間に自分の絵なんか描かれて…』
「いや、全然？むしろ嬉しいんだけど」
気持ち悪いなんて1ミリも思っていなかった。
「という訳で、これ、もらっていいの？」
改めて、似顔絵を指さして聞いてみる。
『手越くんが貰ってくれるなら…』
少しの沈黙の後、Aちゃんは頷いた。
「ありがとうめっちゃ嬉しい」
そう言うと微かに頷いて、小走りで行ってしまう。
「Aちゃん。今日も昼休み、ここに来る？」
慌てて声をかける。
「良かったら来てよ。俺も絶対来るから」
チャイムが鳴って、今度こそAちゃんは行ってしまった。
多分頷いてたと思うけど。
1時間目はサボっちゃおうかなぁ。
正式に俺が譲り受けた絵を広げて、日当たりに腰を下ろした。
.
「すげー。そんなのも描けるんだ」
昼休み。
屋上には既にAちゃんの姿があった。
持っていた小さなスケッチブックにはピンクの花が描かれていた。
「どっちがいい？絵のお礼」
ここに来る前に買ってきたコーヒー牛乳といちご牛乳を差し出す。
『どっちでも…』
「えー？じゃあ、こっち」
甘すぎて普段はどっちも飲まない。
少しでも甘くなさそうなコーヒー牛乳を自分の分にして、Aちゃんにはいちご牛乳を渡した。
『ありがとう』
「うん。かんぱーい」
甘っ。
軽くパックを上に掲げて乾杯してから1口飲んだら、やっぱり甘かった。
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なのはなさいた(プロフ) - 初めて読ませて頂きました！すごく面白いです！楽しませていただいてありがとうございます！！ (2020年6月5日 0時) (
レス) id: 9a9c48371e (このIDを非表示/違反報告)
ラーク(プロフ) - 大変失礼致しました。 (2020年5月9日 20時) (レス) id: bda1f630a7 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - ラークさん» 申し訳ありませんが、そちらの作品は私の作品ではございません。 (2020年5月9日 18時) (レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
ラーク(プロフ) - こちらからすみません。Secret Love、シゲアキ先生と恋をします、のパスワードを教えていただけますか？よろしくお願いします。 (2020年5月9日 17時) (レス) id: bda1f630a7 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - 彩耶さん» 最後までお付き合い頂きありがとうございました！また機会があればよろしくお願いします。 (2020年3月10日 2時) (レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まり
| 作成日時：2020年2月10日 13時
