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「妊娠してんの？あんた」
母には見抜かれていた。
「どうすんの？
子供なんてお金もかかるし思ってるよりずっと大変なんだから。
どんどん大きくなるのよ？あまり迷ってる時間は無いんだからね」
心無いことを言っているようで、何故か背中を摩る母の手には安心感があった。
──side Y──
Aは平然を装っていたけど、ここ数日明らかに体調が悪そうだった。
真っ青な顔してるし、帰りに職場の人と食べてきたからって、家でご飯を食べることもない。
「ねぇ、A。もしかして…」
子供が…
『ごめん。ちょっと頭痛いから先に寝るね』
俺の言葉に答えることなくベッドに入ってしまった。
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いや、いつまでもこうしてる訳にはいかない。
ちゃんと話さなきゃ。
Aが休みの日、そう決めて職場から真っ直ぐ帰宅した。
「ねぇちょっと」
アパートの前でハスキーな声の女の人に呼び止められた。
「Aの彼氏？」
「はい。…あ、もしかして」
話には聞いたことがあったけど、Aのお母さんと会うのはこれが初めて。
高校を卒業して一緒に住むタイミングで挨拶に行こうとしたけどAに頑なに拒まれて、それでも無理矢理押しかけたら結局外出中で会えずにそれっきりだった。
「手越祐也です。
全然ご挨拶に行かなくてすいません…」
「そういうの、別にいいから。
それより、これ…」
そう言ってコンビニの袋を差し出してくる。
「あの子、昔から具合悪くてもこれだけは食べれてたから」
袋の中にはグレープフルーツのゼリーがいっぱい入っていた。
「Aの体調が悪いこと知ってたんですか？」
Aはお母さんと会ったとか連絡取ったとか、全く言ってなかったけど。
「あと、これ」
俺の質問に答えることなく次に差し出してきたのは銀行の名前が印刷された封筒で、中を見なくてもお札が数十枚入っているのがわかった。
「ダメです。受け取れません」
「違うの。元々Aのお金だから」
「そういうことなら…渡しときますね。
Aに会っていかないんですか？」
「私の顔見たら余計に具合悪くなっちゃうから。
Aを、よろしくね」
笑った顔、Aに似てる。
そして今度は振り返ることなく行ってしまった。
めっちゃ優しそうなお母さんじゃん。
Aから聞いていた話から、もっと怖そうな人を勝手に想像してたから、意外だった。
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なのはなさいた(プロフ) - 初めて読ませて頂きました！すごく面白いです！楽しませていただいてありがとうございます！！ (2020年6月5日 0時) (
レス) id: 9a9c48371e (このIDを非表示/違反報告)
ラーク(プロフ) - 大変失礼致しました。 (2020年5月9日 20時) (レス) id: bda1f630a7 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - ラークさん» 申し訳ありませんが、そちらの作品は私の作品ではございません。 (2020年5月9日 18時) (レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
ラーク(プロフ) - こちらからすみません。Secret Love、シゲアキ先生と恋をします、のパスワードを教えていただけますか？よろしくお願いします。 (2020年5月9日 17時) (レス) id: bda1f630a7 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - 彩耶さん» 最後までお付き合い頂きありがとうございました！また機会があればよろしくお願いします。 (2020年3月10日 2時) (レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まり
| 作成日時：2020年2月10日 13時
