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なんで加藤課長がいるの?

しかも、一人で。



私に会いに来た、訳ないよね?

そもそも私のことなんて知らないんだし。


だからと言ってじっくり見られたら、あれこいつ見たことある、ってなるかも。

とりあえずこの場を離れようと、足早に歩き出した。



「AA」


後ろからハッキリと名前を呼ばれて、恐る恐る振り返る。

今私の名前を呼んだのは、加藤課長で間違いなさそうだった。



「こんなとこで働いてるのは、これの為?」

近づいてきた加藤課長が左手に持っているのは…


『それ、借用書。なんで持ってるんですか?』


「昨日廊下で拾った。
ほかの社員の前で堂々と返しても良かった?」

『いえ…』


素早く借用書を奪いとってバッグにしまう。

私ってば、なんでこんな物会社に落とすかな…



『わざわざありがとうございました。では』


「いやいや。
じゃあお疲れ、また明日。ってなるかよ」

ですよね…


帰ろうとした足を止めて、加藤課長に向き直る。



『会社には明日自分から報告して退職届出しますので。
申し訳ありませんでした』

「別に俺に謝られても」

『…はい』


えー。
何この状況?
どうすればいいの?もう帰りたい…



「会社、辞めたら大変じゃねーの?借金返済。
それとも本格的に夜の仕事で食ってくの?」

『いえ…』

なんでこんなこと言われてるの?
と思いつつも、言い返すことも立ち去ることも出来ずに、ただただ立ちすくむ。

顔をまともに見るのが怖くて、下を向いて、課長の靴オシャレだなーなんて呑気なこと思ってみたり…


「俺は、会社に言うつもりは無いけど…」

『え?』

「辞めなくていいんじゃない?」

『はあ…』


恐る恐る顔を上げると、バッチリ目が合った。


知ってはいたけど、改めて思う。
目がおっきくてめっちゃキレイな顔…

いやでも、やっぱ怖いよ。
睨まれてるよね?多分。



「辞めなくていい。
その代わり、その店はもう辞めろよ」

加藤課長の目線が後ろの店に移る。


『わかりました』

頷くと、スタスタ歩いて行ってしまった。



まあ、会社辞めるよりはいいか。
てか、明日からどんな顔して加藤課長に会えばいいの?


重い足取りでお店に戻り頭を下げて、2日分のお給料を貰って夜の繁華街を後にした。

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まり(プロフ) - 花希音*☆さん» コメントありがとうございます(*^^*)最後までお付き合い頂きありがとうございました! (2020年2月10日 1時) (レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - とくこさん» 最後までお読み頂きありがとうございました(*^^*)また別の作品でもお付き合い頂けたらと思います! (2020年2月10日 1時) (レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
花希音*☆(プロフ) - きゃっ!!好きです!このお話! (2020年2月8日 7時) (レス) id: e44d981289 (このIDを非表示/違反報告)
とくこ(プロフ) - 初コメント失礼します。完結お疲れさまでした!わくわくしながら読むのが日課だったので"完結"の文字がなんだか少し寂しく感じました。ありがとうございました! (2020年2月8日 2時) (レス) id: 5750580c47 (このIDを非表示/違反報告)
NEWSLove萌(プロフ) - はい!加藤さんと結ばれることも応援してます!頑張って下さい! (2020年1月31日 21時) (レス) id: 0c8bb4e7e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まり | 作成日時:2020年1月5日 21時

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