ΨBootis☆Y☆ (ページ17)

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「やっぱ無理…」

抱きしめる腕に力を込める。

「やっぱ、2日間だけなんて無理。
A、俺の彼女になって？
期間限定とかじゃなく、ずっと」

「手越くーん」

少し離れたとこから俺を呼んでる声が聞こえてきた。

『祐也。もう行かないと…』

「うん…

毎日連絡するし、連休もらったら必ず来る。
めっちゃ遠距離だけどさ。俺とAなら大丈夫っしょ」

具体的な理由なんて何も無いけど、俺のAに対する気持ちは、海を越えたぐらいじゃ変わらないっていう自身はあった。

『嬉しいけど…いいのかな』

Aは迷いがちに目を伏せる。

「いいに決まってんじゃん。
てかもう、俺。A以外の彼女とか考えらんないし。
いくら遠くにいたって、Aがいい」

両腕を広げると、再びAが俺の胸に飛び込んでくる。

「好きだよ。
明日からも毎日必ず｢好き｣って伝える。約束…」

指切りの代わりにキスをした。

ほんとこんなとこでキスとか、写真撮られたりしたら大騒動になっちゃうけど
それでもいいって思えるくらい、Aの事で頭がいっぱいだった。

「手越くーん」

「そっちは？いない？」

「見当たらないです」

スタッフたちの声が近付いてくる。

「そろそろマジで行かないと。
日本についたらすぐ連絡入れるから」

『うん。待ってる』

「じゃあね。…大好きだよ」

ここ数日で何度も言った言葉を最後にもう一度伝えて、バイバイのキスをした。

しばらく離れ離れなのに、不思議と今度は涙なんて出なかった。

「おまたせー」

スタッフ達のもとに駆け寄る。

「手越くん、何してたの」

「トイレ見つけられなくて。
でももういいや。あっち行ってからで」

「あまり時間ないから、行くよ」

「はいはーい」

振り返るとAが柱の影からまだこちらを見ていた。

こっそり手を振ると、Aも控えめに右手を振って応えてくれた。

俺の心は晴れ晴れしていた。

この時は…

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いつもはほとんど寝ずに終わるフライト時間。

ここ2日間ほとんど寝ていなかったのと、まだAとの関係が続くという安堵感からか、日本に着くまで俺はぐっすり眠り続けた。