Aludra☆S☆

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結婚してたんだねーって。

あの時、目の前にサンドイッチ運んできてもらって指輪に気付かなかったのかよ。


いや、意外に気付かねぇんだよな、この人は。

色々気を配って見ているようで、見てないとこは全く見てないし、興味が無いことは全く覚えてない。


逆に俺が余計な事まで気付きすぎなのかもしれないけど。




それにしても、旦那の実家って。

今は一人とは言え、離婚とは違って完全に決別ってことは無いんだよな。


いや、それは分かってたつもりだったけど…

結局、旦那さんの実家がどこにあって、Aが今何をしてるかなんて全く分かんねぇし。


これ以上傷付くのが嫌で、繋がらなかったらとか思い切り拒否られたらとか思うと、こっちから連絡することも出来なかった。

そもそも大したことなきゃ向こうから連絡くるはずだし。






台本を閉じてテーブルに突っ伏した。


24時間にも満たなかったあの夢の時間に戻って、そのままそこで時間を止めてしまいたい。

最後にシゲアキって呼んでくれたAの声が頭の中でループして、胸を締め付ける。


ねぇ、A。大好きだよ。


あー、そうか。
俺、好きって1度も言ってなかったかも。


そりゃ離れてくわ。

なんでこんな仕事してんのに、こう、いつも言葉が足りねぇんだろう。


あの日に戻れたら、いっぱい好きって伝えて、もう絶対離さないのに。






「あれ、シゲ寝たの？」

「ドラマの撮影も始まってるし、寝れてないんじゃない？」


寝れてないのは、ドラマのせいじゃないし…

後ろから聞こえてくるメンバーの声に、心の中で答えた。

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