ＪとＴの間

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『いってぇ……っ』


テミンに似てる彼は顔を抑えて座り込んだ。


私は無視して大学を出て、駅に向かった。


スマートフォンを開くと、テミンからLINEが来てたけど無視した。

LINEが来ていたけど、無視した。


テミンに浮気されたからショックなのか、相手がソランだからショックなのか、よくわからないけど、涙が出てきた。


いい大人が外で泣くなんて情けない。


今日は酷暑だから外を歩いてる人なんて少ない。

でもそれが救いだった。

太陽の暑い日差しが涙を乾かし、人を少なくする。


運が良いのやら悪いのやら。


歩いていて思い出されるのはテミンとの思い出ばかりで。


同じゼミになって、一目惚れして、勇気を出して告白をしてオーケーをもらった時は死ぬほど嬉しかったなぁ。

そして、大学１年生での遅めのファーストキス。

付き合って8ヶ月のクリスマスの時にデートして、初めてをテミンに捧げて。

あんなに好きになった人はテミンが初めてだった。


私の初めてを全部奪ったくせに、浮気した。


ソランは、高校の時から仲良しで、テミンに恋したって言った時は応援してくれた。

なのに、浮気した。

さっき私を見た時、顔が赤かったから、キスでもしたのだろうか。


「絶対あの２人より幸せになってやるんだから！！！！
浮気したこと後悔しろよイ･テミンの奴！！！！」


『幸せになりたいなら、とりあえず暴力ふるの辞めろよソ･A』


後ろから声が聞こえた。

ショックでついに幻聴が聞こえるようになったのか。


『幻聴じゃねぇよ。あんた馬鹿？』


「あ、さっきの…」


わたしの後ろには、息を切らした、さっき鞄で叩いたテミン似の男の人が立ってた。

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