64時間目 ページ17
〜夏月side〜
何、これ。
目の前には、私の下駄箱。これはいつも通り。問題なのは中身だ。シューズはある。けど、そのシューズは、何故か水浸し。
夏｢嘘でしょ……」
ここ、進学校だよね?こんな小学生みたいなことやる人が居るの?
理由は一つ心当たりがある。多分、体育祭の時のあれだろう。
神｢一緒に来て!｣
はぁー、彩ちゃんや美帆ちゃんが言ってたよね。とゆうか、シューズどうしよう。びしょ濡れじゃん、履けないんだけど。
神｢あれ?夏月さんシューズ履かないんですか?｣
お 前 が 原 因 だ よ
と言いたい気持ちを抑えて、神木君の方へ向く。
夏｢あはは、何かシューズびしょ濡れで｣
神｢え、大丈夫なんですか!?｣
大丈夫なわけあるか。これで大丈夫なのは無理があるだろ。
神｢スリッパ借りてきますか?｣
夏｢いや、自分で行くから大丈夫です｣
神｢そうですか……」
何やら不満そうな神木君。でもここで神木君が取りに行っても、悪化しそうだからな。
神｢あ、じゃあ俺も一緒に借りに行きます｣
夏｢え、何でですか?｣
神｢僕も忘れたってことにすれば、借りれるはず!｣
いや、何で。最近、神木君がよく分からない。
神｢さぁ、行きましょう｣
夏｢えー……｣
ズルズルと私を引っ張って行く。気の所為かもしれないけど、周りの視線が痛いなぁ。いや、絶対気の所為じゃない。
神｢失礼しました｣
夏｢失礼しました……｣
ガラッ
夏｢わ、スリッパスースーする｣
神｢冷たいですね｣
夏｢そうですね……神木君｣
神｢はい｣
夏｢あの、ありがとう｣
何で一緒にスリッパを借りるっていう結論が出たかは知らないけど、ちゃんとお礼は言わないと。
夏｢え、何で笑ってるんですか?｣
神｢いいえ、何でも｣
少し機嫌のいい神木君は私を置いて、教室に向かった。
やっぱり
夏｢よく分からないや｣
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作者名：宵星 | 作成日時：2020年5月13日 15時
