【暗殺教室】君との高校生活【渚】 (ページ15)

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14時間目ページ15

〜夏月side〜
殴られると思って、目を瞑った。……けどいつまでたっても痛みはこない。恐る恐る目を開けると、
潮｢何してるんですか？｣
沖奈さんの連れの方が男性の手を掴んでいた。
男｢!!このっ離せっ……！｣
思ったより力強く握っていて、男性が抵抗しているが、ビクともしない。
潮｢僕の彼女に手を出し、その友人にも手をあげようとしたのに、全く反省をしていませんよね。どういう神経しているんですか？｣
凄く怒っているのが、ビリビリ伝わってくる。この状況に対して沖奈さんは驚いているだろうか。チラッと見てみる。
沖｢……｣
少し驚いているみたい。こんな怒っているのを見るのは初めてなのかな？
潮｢謝ってください、二人に。｣
男｢ヒッ｣
男性は怖くなって、声が出なくなっている。
潮｢謝ってください。｣
顔はよく見えないけど、正面から見たら私も足がすくむ気がする。
男｢……でした。｣
夏｢?｣
男｢すみませんでしたっ!｣
男性は連れの方に謝って逃げて行った。
潮｢僕に謝って欲しいわけじゃないのに……かのんと夏月さん大丈夫?｣
私達の方へ振り返った彼はさっきとは打って変わった優しい声でそう尋ねた。
夏｢大丈夫です。｣
沖｢大丈夫だよ。というか、夏月さんごめんね。助けようとしたんだけど、止められなくて。｣
夏｢助けようとしてもらえただけで、ありがとうございます。｣
沖｢(わー、少し微笑んでる、綺麗……！)渚君もありがとね。｣
潮｢もーかのん。助けに行くんだったら、一言言ってよね。｣
沖｢えへへ、ごめん。｣
潮｢はぁ｣
目の前で繰り広げられている会話が微笑ましい。
潮｢まあ、二人とも怪我しなくてよかった。｣
沖｢よいしょっと。じゃあ、帰ろう!｣
潮｢うん。｣
二人は何事もなかったように帰ろうとしていた。
夏｢あのっ……！｣
｢ん?｣
夏｢ありがとうございます!助けてくれて!｣
潮｢どういたしまして。｣
沖｢絶対仲良くなるからね、また明日!｣
夏｢はい……！」
二人は見えなくなるまで手を振ってくれた。その誠意に応えたいと思った。きちんと気持ちの整理をしよう。そして明日それに答えよう。