嘘と距離のメモリート

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慧side









いいよってのは嘘かなー。だって俺、









大ちゃんのこと好きじゃ無いから。じゃあ、何で背負ってるんだろう…大ちゃんの笑顔を見ると胸がズキズキするのはなぜだろう。









「伊野ちゃん…知念可愛いよね」









「えっ…」









何を言い出すの…知念可愛い？大ちゃんの方が可愛いに決まってるってあれ？









「何でこんなこと…」









「どうしたの？」









大ちゃんは心配になったのか俺の顔を覗き込んだ。
そんな悲しい顔で見ないでよ。









聞いてきたのは大ちゃんでしょ？









見つめないで。また









「愛してしまうから」









俺がそう言った瞬間唇が重なった。キスなんていつぶりだろう。









「伊野ちゃん帰ろ！」









大ちゃんは何事もなかったかのように明るく言った。俺は真っ白な頭のまま家に向かった。









神様…もう一度愛するチャンスをください。









『自分勝手すぎでしょ。駄目だよ。どうせまた傷つけちゃうんだから』

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