キセキの光 (ページ4)

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３話「影の子」ページ4

帝光中学の図書室はあまり使用されない。
だからこそ静かにたくさんの本を読むことができる。
レイ「あ、黒子くん」
黒子「レイさん…」
本を選んでいるとたくさんの本を持った黒子くんの姿を見つけた。
黒子「お久しぶりです。相変わらずレイさんは僕のことを気づいてくれて嬉しいです」
レイ「久しぶり。それ委員会の仕事?」
近くにあった机に持っていた本を置く黒子に問う
黒子「はい。整理しようと思いまして」
レイ「手伝うよ」
私も読みかけの本を机に置いて立ち上がる
黒子「え…ですが帰る時間遅くなると思いますよ?」
レイ「大丈夫！手伝わせて？」
黒子「…ではよろしくお願いします」
こうして図書室に置かれている本をジャンル分けしたりあいうえお順に並べたりしていく。
私と黒子くんとの出会いは中1の頃。
先生の手伝いで帰りが遅くなってしまい
帰ろうとした時、誰もいないはずの体育館から音が聞こえ、見れば電気がついていた。
私は気になって中を覗くと一人、一生懸命練習している水色の髪の男の子を見つけた。
レイ「お疲れ様」
その子がちょうど休憩しようとしていた時に話しかけるとビックリしたような顔をされ顔を傾ける
黒子「僕が見えてるんですか…？」
唐突な言葉。理解し難い。彼は幽霊だとでも言いたいのだろうか。
私が不思議に思ったことが分かったのか、説明してくれた。影がとても薄いらしく、人に気付かれたことがないのだという。
黒子「僕の存在に気がついてくれたのはあなたが初めてです。ありがとうございます」
本当に嬉しそうに笑うものだからつい頭を撫でてしまった記憶がある。
…とまぁこんな感じだ。
黒子「…ふぅ、終わりましたね」
レイ「だね」
バラバラだった本が、整理されたことによって探しやすくなった。
黒子「手伝ってくださって本当に助かりました。ありがとうございます」
レイ「どういたしまして」
そう言って私は読みかけの本を棚に戻し、帰ろうとすると腕を掴まれた。
黒子「あの、送ります。夜遅いですし…危ないので」
ありがたく、送らせてもらうことになり
夜道を二人で歩く。主に小説の話、たまに黒子くんのバスケの話を聞かされる。
レイ(…最悪)
彼が中学最後までやりきるバスケの結果を見れば最悪と表示されている。理由としては、仲間内でのトラブルや方向性の違いによってだ。
黒子「どうかしましたか？」
レイ「…なんでもないよ」
嫌な結果を見てしまったこともあり、その日はあまり眠れなかった。