silent (ページ26)

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同窓会ページ26

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"フットサル誘われた"

想は嬉しくなさそうな顔で私に言った

ここ数日元気なさそうなのはこれが原因だったみたい

[湊斗くん？いいじゃん。]

昔のサッカー部のみんなが古賀先生のやってるフットサルチームで集まってるから一緒に来ないか？っていうお誘いらしい

想[みんなに気遣わせるでしょ]

まぁそうだよね

でもさぁ

[そんな関係性だっけ。サッカー部って]

その言葉と同時くらいに紬ちゃんから想に連絡が入る

[ほら、楽しみにしてるってよ！]

ケータイを奪って顔を近づけると"湊斗も楽しみにしてる"という文字に肩を叩いて告げた

[うじうじしてないで男見せなよ！]

って私の手話と想の声が被る

想｢そんなに目見えなかった？｣

やっぱり片割れにはバレちゃうかって思った

だから私意外と冷静なのかもしれない

[湊斗と久しぶりに会った時から、ちょっとおかしいと思ってたんだ]

想｢まだ、見えるの？｣

ゆっくり喋ったのはきっと聞こえないからじゃなくて聞こえなくなった時の自分を思い出したからだよね？

[もう、あれくらい近づかないと光しか感じない]

さっき想から奪ったケータイは鼻が当たるほど近づけて見た

想｢病院行こう｣

[でも、明日はフットサルでしょ？]

想｢それよりも、Aの方が大事｣

なんてまた私は想に助けて貰ってばっかり

[想はフットサル行って？私はお母さんと行くから]

想｢大丈夫？｣

心配そうな声出さないでよ

[大丈夫。それより想の声こんなに聞いたの久しぶりだよ笑]

想｢今日、一緒に寝よう｣

そう言ったのは私のため？それとも想自身が怖いから？

次の日は想が家を出たすぐ後にお母さんが来た

車で病院へ行ってやっぱりほとんど失明していることが分かって

お母さんはまた空元気でどうしたもんかなんて考えて

だから同じ頃、湊斗が紬ちゃんに別れを告げたなんて知る由もなかった

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