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湊斗
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僕たちが再会したのは、紬が想と再会した次の日だった
どうもひとりじゃ抱えきれなくて、紬に話した
ちゃんと佐倉さんと話したいんだという事を紬に伝えた
紬も想とちゃんと話したいって思ってると
そうして設けられたこの時間は、何故か紬が想と会う時間と一緒だった
久しぶりに本気で愛した彼女と話した
なんであんなに緊張してたんだろう
そうだよ、僕達は高校の時からこうやって話してたじゃないか
なんで今まで忘れてたんだろう
湊斗「好きな人とは上手くいってる?」
だからこれも他愛ない質問のひとつ
もう君のことを知らない間に泣かせないちゃんとした人がいるのかって
『ん?笑』
湊斗「メールで言ったでしょ?好きな人ができたって」
彼女は少し困った顔をして
『好きな人がいるって言ったの』
そう言った
湊斗「ん?いる?笑」
その時再会してから初めて目が合った気がした
『湊斗だよ』
きっと彼女は見えていないけれど
僕は涙が止まらなかった
彼女だって涙が溢れていた
『言えばそうやって泣くと思った』
泣きながら笑わないでよ
湊斗「ごめん、俺…」
『私だけが辛いならまだ良かったんだ』
そんな事言わないで
『もう大好きな湊斗の目が見れないんだって思った。
意外と思ってるとこ顔に出ちゃうとか、何故か1束だけはねる寝癖とか、笑顔も怒った顔も全部』
湊斗「うん」
『でもそれ以上に湊斗が辛い思いをするなら
それなら私から終わらそうと思った』
湊斗「はぁ。理由言わずに去られた方が辛かったよ。笑」
『…ごめん笑』
"もう、涙を全て拭いたいって思う大切な人はいる?"
うん。居るよ。
『よかった』
今まで見たどの笑顔よりも綺麗に君は笑った
本当にずるい人だ。
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いちご(プロフ) - 続き楽しみです! (2022年10月22日 10時) (レス) @page20 id: e02ec1dba7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりな | 作成日時:2022年10月17日 20時