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湊斗


仕事で紬の家の近くに行った

家に寄ろうとも思ったけど流石に迷惑だと思って大人しく駅へ向かった




湊斗「…え。」


駅へ向かう道でずっと会いたかった人とすれ違った

もう未練なんてないし「久しぶり」って声をかけようと近づいた


でも彼女は気づかなかった



無視されたのだと思った

我慢できなくて

湊斗「なんで無視するの?佐倉さん!」

叫んだんだ



『…え。湊斗くん…?』

彼女はゆっくり振り向いた



白杖を手に



湊斗「…え?」

『…ごめん。急いでるから。』



また前を向いて歩いていく。

これを逃すときっともう会えないんだ。
何故かそう思って追いかけた。



湊斗「ねぇまってお願い。どういうこと?」

『…別に』

湊斗「そんな訳ない。あの距離で分からないなんてそんな。」

『目が見えないの!』



そうだと思った。そうだとしか考えられないのに。
なんでこんなに衝撃を受けているのだろう。



『20歳の時病気がわかった。目が段々見えなくなるの。
もう今は夜じゃなんにも見えない』

湊斗「なんで言ってくれなかったんだよ。」

『湊斗くんは私のどこが好きだった?
あ、そっか最初から好きじゃないか笑』

湊斗「そんなこと!」

『私は湊斗くんの目が好きだった
湊斗くんが誰を好きでも私は湊斗くんだけしか好きじゃなかった』



なんにもいえなかった。
君が本当に苦しそうに泣いてるから。



『皮肉だよね。もう目はほとんど機能してないのにさ。涙だけは流れるんだよ。』


湊斗「ごめん俺、全然見れてなかった。
君の涙を全部俺が拭おうって思ってたのに。」


『目が見えなくなってから耳が良くなったんだ。この街はうるさいよ。
湊斗もうるさい。』


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いちご(プロフ) - 続き楽しみです! (2022年10月22日 10時) (レス) @page20 id: e02ec1dba7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まりな | 作成日時:2022年10月17日 20時

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