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今世 壱 ページ9

琴葉が死んで数日後のことだった。


「ちょっとお話しいいかな?」

鈴璃『?何ですか?』


いつものように一人で遊んでいると、二人の老いた夫婦が訪ねる。


「ここら辺に睡蓮花鈴璃ちゃんって女の子が住んでいるらしいんだが、知らないかい?」

鈴璃『睡蓮花鈴璃は私ですが、何かがようでしょうか?』


そう言うと、夫婦は驚いた顔をした途端に、ニッコリと満面の笑みを浮かべた。


「そうか。お嬢ちゃんが鈴璃ちゃんなんだね。儂は"花水木琴吹"君のお爺ちゃんだよ」

「私は"花水木一葉"お婆ちゃんよ。鈴璃ちゃん」


突然そう言った二人に、鈴璃は驚いて少し後ずさる。


鈴璃『お、お爺ちゃんとお婆ちゃん、ですか?』

琴吹「嗚呼、そうだよ」


人の良さそうな笑顔に、一瞬気を許してしまいそうになるが、すぐにその気持ちを消し去った。


鈴璃『申し訳ありませんが、母と父から私には祖父母はいないと聞いております。それ故、貴方方を信じることは出来ません』


「失礼します」と言って家に戻ろうとした瞬間、強い力で引っ張られる。


琴吹「それは間違いだ。儂達は鈴璃ちゃんの家族だよ」

一葉「そうよ。お父さんとお母さんが、鈴璃ちゃんに嘘をついているのよ」


そう言って掴まれた両肩に力を入れられて、鈴璃は顔をしかめた。


鈴璃『っ、でしたら、この手をお話し下さい!孫に痛い思いをさせるのが、祖父母のやることなのですか!』


すぐに手を払い、身体を遠ざける。


琴吹「すまない。ついやってしまった。お爺ちゃんを許してくれ」


申し訳なさそうに笑う琴吹を鈴璃はとくに痛む右肩を抑えながら睨んでいると、遠くの方から璃秋の声が聞こえた。


璃秋「鈴璃!大丈夫か?」

鈴璃『お父さん、私は大丈夫ですよ』


焦ったような顔の璃秋に、鈴璃は無理に笑ってみせると、すぐに抱き寄せられる。


琴吹「貴様!儂の孫に触れるな!」

一葉「そうよ!その子は私達の大切な孫なのよ!」


抗議の声を上げだした二人を見て、鈴璃は不快感に襲われた。


璃秋「貴方方とは、琴葉との結婚の際に縁を切りました!それはこの子との関係も切ると言う意味です!お帰りください!そして、もう二度と!この子に近づかないでください!」


初めて聞いた璃秋の怒声に、鈴璃はビクリと肩を震わせる。


琴吹「なんだと!元はと言えば、貴様が儂達から琴葉を奪ったからであろう!」


青筋を立てながら怒鳴る琴吹。

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KIRAN1225aavk(プロフ) - ありがとうございます!時折更新出来ない時もございますが、ご了承下さい。 (2019年5月28日 21時) (レス) id: 892392ea40 (このIDを非表示/違反報告)
鮭本 - コメント失礼します。とても面白いです!無理せず更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2019年5月26日 23時) (レス) id: 7e04cbc111 (このIDを非表示/違反報告)
布袋尊(プロフ) - 更新頑張ってぇー、楽しみだからァ(ぶりっ子じゃないよ!?) (2019年5月26日 22時) (レス) id: 4e763fa650 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:KIRAN | 作者ホームページ:p://  
作成日時:2019年5月25日 17時

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