参 ページ11
旅をしてから約数年。
東京や九州、北海道、様々な人達に助けられながら旅をし、鈴璃は15歳となった。
鈴璃『お父さん。今日はもう宿を取りましょう。暗くなってしまいましたからね』
腰を通り過ぎて足首までになった髪を、サラリと揺らしながら鈴璃は父・璃秋を見返る。
璃秋「嗚呼、そうだね」
鈴璃『お父さん。辛いですか？すぐに宿を取って休みましょう』
ここ数年の間に璃秋の身体は急激に弱っていて、歩か続けるのもあまりできなくなっていた。
鈴璃『人通りが多いですね。お父さん、私の腕に捕まっていてください』
璃秋「すまないな、鈴璃」
人通りが多くなり、ゆっくりと歩いていく。
鈴璃『(？何でしょう。あんなところで止まって)』
歩いていくと、通りの真ん中で、黒と浅葱色の羽織を着た人が止まっている。
鈴璃『(まぁ、いいです。とりあえず、お父さんを宿に)』
その羽織を着た人と、その前で止まっていた子供連れの夫婦を通り抜けた時だった。
璃秋「うぁっ」
鈴璃『お父さん？』
小さな呻き声を上げた璃秋に鈴璃が振り返ってみると、首を抑えて俯いている。
鈴璃『お父さん？』
なにやら嫌な予感がして璃秋と向き合った時……
璃秋「グアアアアアアアアア！！」
鈴璃『お父さん！いっ？！』
大きな呻き声を上げ、璃秋は鈴璃の肩に鋭い牙を突き立てた。
鈴璃『("鬼"！なんで！どうして！)』
ふとさっきの子連れの夫婦を見ると、そこにいたのは……
鈴璃『("鬼無辻無惨"！そうか！人に紛れて生活をしていたのか！)』
肩に噛み付いた璃秋を引き剥がそうとしながらそうゆう考えに至っていると、羽織を着た人、いや、少年が飛び出して来る。
？「やめろーーーー！！」
鈴璃『いつっ！』
飛び出してきた少年により璃秋が抑えられ、鈴璃は自身の肩の傷口に手拭いを押し当てた。
「君！大丈夫か！」
鈴璃『は、はい』
周りで見ていた人がすぐに駆け寄って来てくれる。
鈴璃『っ、お父さん！』
少年に抑えつけられている璃秋に声をかけるも、反応はない。
鬼無辻「大丈夫かい。見ちゃいけないよ。ここは危険だ。向こうに行こう」
鈴璃『っ！』
ふと聞こえた鬼無辻の声に振り返ると、腕に幼い少女を抱えて、まるで本当の父親のように振舞っていて、女性を連れて行く。
鈴璃『ま……』
静止の言葉をかけようとしたが何故か声が出てこず、意識も乏しくなっていく。
鈴璃『(しまった。血を流しすぎた)』
そう気づいた時にはもう遅く、プツリと糸が切れたように倒れた。
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KIRAN1225aavk(プロフ) - ありがとうございます！時折更新出来ない時もございますが、ご了承下さい。 (2019年5月28日 21時) (
レス) id: 892392ea40 (このIDを非表示/違反報告)
鮭本 - コメント失礼します。とても面白いです！無理せず更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2019年5月26日 23時) (レス) id: 7e04cbc111 (このIDを非表示/違反報告)
布袋尊(プロフ) - 更新頑張ってぇー、楽しみだからァ(ぶりっ子じゃないよ!?) (2019年5月26日 22時) (レス) id: 4e763fa650 (このIDを非表示/違反報告)
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