重たい彼女【センラ】

重い ページ16

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Aside









電話する、と約束したものの１日目はセンラさんが酔いつぶれてできませんでした。

ちょっとブルーな気持ちでセンラさんのいない２日目をすごし、今は電話ができる時間です

さっきからずっとそわそわしながらリビングを行ったり来たりしてます((

「んむー…遅い…もう日付変わるよ…？」

えーい、自分からかけちゃえっ！

発信ボタンを押して、プルルルルと呼び出し音が鳴る

電話なんて久しぶりで、少しドキドキする

プツ。と少し途切れる音がして

『もしもしぃー？』

と“女の人”の声

この声、知ってる

「石田、さん……」

ポツリ、と確認するように呟くと

後ろの方からセンラさんの声

セ『ちょ、石田さん！勝手に僕の携帯触らんといてくださ…って誰と電話してるんです！？返してください！』

『やぁだ〜センラくん、そんなに怒らないでよぉ〜。はい、携帯返すからぁ〜』

ガヤガヤと居酒屋が賑わっている音

なんで…？なんで、石田さんがいるの…？

セ『もしもし、すみません、友達が。えっと…』

「センラ、さん」

セ『A！？なんで……あっ、電話…』

「今日もお仕事お疲れ様。接待かな？頑張ってね！じゃあね、ばいばい」

セ『ちょ、まってや！A！』

「……なに？」

セ『ちょっと待ってて。…あ、先輩！酔い回ってきそうなんで外の空気吸ってきますねー』

『え、センラくん行っちゃうの〜？私も行く〜！』

遠くの方から石田さんの猫なで声

やめて、センラさんに近づかないで、触れないで

セ『来んくてええ。誤解とかなあかんねんから』

そう言ってガラガラガラと店の扉を閉める音

セ『もしもし？A？』

「ん、なに」

セ『あーもー、きっと今何言っても無駄やろうから、帰ったら話そう。』

「話したって同じだよ」

ちがう、話したいよ

話したいのに、こんな挑発的なこと言ってしまう

セ『あほ。センラが話したいの、誤解されたままじゃ嫌やから。明日は朝早くに帰るから。おいしいご飯食べたかったけどしゃーない。とりあえず、変なこと考えて暴走せんでな？』

「わかった…」

セ『俺が愛してるのはAだけやで』

「うん…」

私もだよ！っていつもなら言うけど

今日は言えなかった

でてくるのは涙だけで

それを隠そうとわざとそっけなく返事をした

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