私の人生、∞の記憶 (ページ28)

今日:18 hit、昨日:5 hit、合計:71,789 hit

2 ページ28

横山side

隣におったから、

ヤスとAの会話は聞こえとった。

そりゃめちゃしんどくて、

めちゃ苦しくて、

めちゃ辛いやろうけど……。

横「本人が弱音吐いとったら病気の思う壺やろ！」

安「ちょ、ヨコちょっっ」

止めるヤスを振り払って、俺はAに話し続けた。

横「弱気になってたら病気に負けるやろ。
お前は治すために今まで頑張ってきて、色々我慢してきたんやろ！？それが実らんかったら悔しいし、悲しいけど、そこで折れちゃあかんやろ！！！！
次の抗がん剤やるってお前が決めたんやろ！？じゃあ、それに向けて気持ち作れや！！」

「ん…グスっ。でも……1人やもんっ」

はぁ？？

横「1人？誰が1人やって？？お前は1人やないやろ。俺たちがおる。しばらく会ってないだけでそれも忘れたんか？」

「忘れてへんけど！！やっぱり……会えないと寂しいんよ…っ」

横「…それはごめんな。でも行ける日は皆んな行っとるで？時間削って、休憩中とか。少しでもAに会いたくて。毎日1回は連絡も全員から来るやろ？
大丈夫。お前は1人やない。」

会いに行けてなかったのは事実やし、

それは謝って、優しい声で話すと、

Aも少しは落ち着いたみたいだった。

「……ごめん。弱気になってた。ほんまごめん」

横「全然ええよ。心細くもなるよな。」

「章ちゃんもごめんな。」

安「へ！？んーん！またすぐ会いに行くからな！」

隣で涙目になってるなヤス。

あとでからかってやろ。

横「ほら。電話切るからな。体力温存しろ」

「うんっ、ほんまありがとう。」

まだ鼻をすする音は聞こえるけど、

…気持ちは大丈夫みたいやな。

「おやすみ」

横「おやすみ」

安「おやすみ！ばいばーい」

「ばいばい」

そして切れた電話。

いやぁ、嵐のようだったな。

ほんまにあんな弱ってるA初めて見たわ。

ビックリしたけど、

アイツは大丈夫やろ。強い奴やから。

安「A……大丈夫なんかなっ、んーんー…どうなんやろ。ほんまに大丈夫なんかな。今から会いに行こうかな？ねぇ、ヨコちょどう思う？なぁなぁ。」

……俺はこれからコイツを落ち着かせんとw

長男は大変やなぁ～。

【残り1年半】