文スト中也さん成り代わり！?(゜ﾛ゜;ﾉ）ﾉ４

第３８話 ページ40

マフィア本部、首領部屋にて

エリスちゃんが、鼻歌を歌いながらお絵かきをしています。直ぐ側には、鴎外さんがメスを片手に何か、悩んでいました。

｢一刺し……一刺しで、敵の急所を突く必要がある｣

鴎外さんは、ダーツの的に向かってメスを投げました。数回遣っていた様です。けれど全て的の外側に刺さっていました。

｢へたくそ｣

｢よし｣

鴎外さんは、考えが纏まったのか、エリスちゃんが使っているクレヨンセットから、一つのクレヨンを手に取りました。

｢！ちょっと！何するの？｣

｢敵に手紙を書く｣

鴎外さんは、微笑んでクレヨンと便箋を持ち云いました。

港にて

船上では、日傘をさした女性が船員達に指示を出していました。

｢本国からの積み荷は、第三船倉に運んで。ぶつけたら、弁償よ。全く……何でこのアタシが、荷積みの指揮なんて……｣

女性は何かに気づき、そちらを見ました。
その視線の先には、牧師の男性が椅子に座り、聖書を読んでいました。
女性は、イラッときて牧師をジーーーーッとやや怒りながら見ていました。

｢うるさい｣

｢は？｣

｢視線が邪魔です。神の言葉が聞こえない｣

｢(ピキッ)あらそう、牧師様は敬虔でいらっしゃること。じゃあ、この一節も大好きよね？『塵は塵へ還る』｣

｢！｣

女性の周りの空気が揺らめき、指を鳴らすと牧師の周りの空気が渦を巻き起こし、聖書がボロボロになっていきました。

｢……『創世記』3章19節｣

｢皆が戦争で、陸に散っている間、組合の拠点であるこの船を守るのが、アタシ達二人の任務よ。忘れたの？｣

｢お嬢様こそ、お忘れですか？罪深き者に、裁きを下すのが私の神命｣

牧師は、女性に近付き直ぐ側に立ちました。

｢敵など幾らでも来ればいい。己が業罪を、命で贖わせてやりましょう。
それとも貴女も、贖罪をお望みですか。マーガレット・ミッチェル？｣
『組合』職人
ナサニエル・ホーソーン――――能力名『緋文字』

｢貴方なんて、アタシの靴を磨く資格もないわ。ナサニエル・ホーソーン｣
『組合』徒弟(アプレンティス)
マーガレット・ミッチェル――――能力名『風と共に去りぬ』

二人は、睨み合っています。
その中で、一人の船員が二人に話かけました。

｢あの…積み荷の中に、このような手紙が｣

二人は、船員を睨み付けました。船員は短く悲鳴を上げました。
ホーソーンは、素早く手紙を受けとりました。正確には、奪い取りました。船員は一瞬の出来事で驚きました。

｢手紙？｣

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