兄に優しくされたい【獪岳】

3 友達とお出掛け ページ4

「Aちゃん、帰り少しお出掛けしない？？？」

今日も午前授業、、、学校が終わり、帰りの支度をしていると、友達のイワちゃんが話しかけてきた。

特に断る理由もなかった私は、鴉に遊ぶことを伝えてイワちゃんと一緒に街へ出掛けた。



街へ出ると、セーラー服を着た私達は少し周りとは違くて目立つ存在になる。

でも、それはモガ・ハイカラ気分を味わうことが出来て大好きだ。

特に、セーラー服が制服として導入されているのは私達の通う女学校だけだろう。

だからみんな珍しい珍しいと見てくることが多い。

「今日も注目されてるね！」

視線を感じるなんて毎日だ。


街のお店はほとんどを見ているが、見ていて飽きたことがない。

でも、出来れば洋服が売っていて欲しい。

和服で可愛い服があっても、絶対洋服の方が可愛い。


イワちゃんも絶対そう思っているはずだ。

『桃色のドレス着て浅草行きたいなぁ』

「本当にそれ！あと、赤のハイヒール履きたいわ！！編み上げブーツ飽きたのよ」

赤のハイヒール、、、それは本物を見たことがない程流通していない西洋の草履らしい。

雑誌言わく、底の部分に7cm以上の細い棒がついてて身長を高く見せられるとか、、、

パンプスなら

『え！それすごくモダンね！編み上げブーツ歩き辛いわよね』

それに蒸れるし、、、と続けて足元を指差す。

編み上げブーツも最近流行りだしたものだが、予想以上に歩き辛いため、みんながもう飽きだしていることだろう。

もっと女性のお洒落が発展すればいいのに。



しばらく歩いているとかなり暗めのお店を見つけた。

そのお店は異国の服を沢山取り揃えていて、なんと赤ではないが「ハイヒール」が並んでいた。

『え！これハイヒール！？凄いモダンでお洒落！！！』

「わぁ！凄いわ！！本物初めて見た」

初めて見たハイヒールは、婦人靴の踵部分にとても細い棒が着いた形で、とにかく草履ではなかった。

値段はとても高くて絶対に買えない。

『本当に体を支えられるのかしら、、』

「少し頼りないわよね」


？「なんだ？私の商品を批判するのか？？？」

私達がハイヒールを見ながら心配なことを話していると、男性の声がした。

振り返ると、そこには不健康そうな、でもとてもモダンな服装の男性がいた。

『いえ！そういう訳ではなくて、とても素敵だけれど、履きこなせないだろうなと思って、、、』

「そうか、、、ならいい。」


――
続きます

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