10 見切り発車 ページ11
正直見切り発車だったと思う。
まだおじいちゃんの稼ぎの中で暮らしている私にそんな決定権なんてなくて、駆け落ちをしてしまえば地の果てまで追いかけられるような思いだった。
上手くいくとは自分でも思えず、勢いだけで承諾してしまったのは自分の中で後悔だった。
それに大好きな兄だって私にはいる。
「鬼舞辻さん。」
私がそう呼ぶと変わりない澄んだ笑顔を私に向けてくれる。
「でも、私、、、。どうしていいか分からなくて」
「大丈夫。そんな気持ち直ぐに忘れさせてあげよう。」
鬼舞辻さんは私の両手首を掴んでグイッと自分の方に引き寄せた。
「やっぱり良くないかもしれないと思ってしまいました。」
私はその手を振り払わず、優しくしたに下ろした。
「どこへだって来てくれるだなんて、私ったら少し自惚れていたのかもしれないわ。
私、まだこの街すら出たことないのに。」
私はうつむき加減で話し始めた。
「私鬼舞辻さんが好き。
でも私はまだまだ未熟ものなのかもしれない。」
「未熟者だって構わない。」
「私が許せないの。」
「今、私お兄ちゃんに無理を言って飛び出してきているの。おじいちゃんにも強く当たって。
イワちゃんが羨ましかったの。」
私はおじいちゃん達との生活が大好きだった。
あんなに冷たく当たられても兄は兄だし、おじいちゃんは優しくしてくれる。
善逸さんだっている。うるさいけど。
「私、見切り発車が過ぎたみたい。ごめんなさい。」
私は鬼舞辻さんの手をそっと引き離した。
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皆様、2年ぶりでございます。
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ユキ(プロフ) - 煮柚都さん» ずっと応援ありがとうございます!これからもよろしくお願いします!!!なんか不自然な場所とかあったら教えてくださいね笑 (2020年2月3日 22時) (レス) id: 064b8f51a5 (このIDを非表示/違反報告)
煮柚都(プロフ) - 弟の反応集から見させて頂いていますが時代に沿った世界線がとても好きです!細かい所まで設定されていて、とても凄いです! (2020年2月3日 22時) (レス) id: bf27443c25 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 泉桃花クラスタさん» ありがとうございます!!!時代をこのまま守っていきたいです! (2020年2月3日 21時) (レス) id: 064b8f51a5 (このIDを非表示/違反報告)
泉桃花クラスタ(プロフ) - 初コメ失礼します…時代背景が捉えられて凄いです…これからも更新頑張ってください!応援してます! (2020年2月3日 9時) (レス) id: 1a879c682f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユキ | 作成日時:2020年2月3日 7時