Live your life! #2

【3】 ページ8

【語り/Yugo】


「樹と慎太郎は？」

「コンビニ行って飲み物買ってきてって頼んだ」

長男が泣いてるのが見えちゃったからさ
なんて大我は笑ってた。



「辛いよな、まじで」

大我もポロっとそんなことを口にした。

きっと大我も同じだけ辛くて
学生でまだまだ不安定な下の3人を
まかせっきりにしてたから。


「どん底かもな…俺ら…」

それでも大我がそばで
同じ気持ちでいてくれるだけで
気持ちが救われた気がした。


「北斗さ、ずっと優吾のこと気にしてたよ」

「え？」


「楽しそうに遊んでたのに
ふとした瞬間にさ…
ゆーごはいつ帰ってくる？って
寂しそうに言うから、俺もたまんなくて」


それを聞いて、また
止まりかけた涙が溢れてきた。

そうだよな。
俺らでもこんだけ堪えてるんだ。

両親がいきなりいなくなって
あげく俺まで帰ってこない状況を
この小さな体でどれだけ我慢してたんだろう。



「優吾」

今まで優しさをまとってた大我が
芯の通った声で俺を呼ぶ。


「今は不安で先が見えない。
でもさ、北斗には優吾がいなきゃ…
俺らにしか北斗は守れないよ」


その言葉に…何かが吹っ切れて。

こいつらのためなら
どんなに苦しくったていいじゃん。

自然とそんな風に思ってる自分がいた。



「ゅーごｯｯ」

くぐもった声に驚いて
北斗に駆け寄る。


まだ熱で潤んだ瞳を見て

こんなに可愛い弟を
引き離せる訳が無いと……



「ゅーご、おかえり…なさぃ…」

意識が朦朧としてたから、北斗にとっては
これが久しぶりの俺との対面になるのか。



「ただいま、ほっくん」

「ゆーご…かな…しいの？
パパとママがいなくなったから…」

小さな北斗の手がベッドのふちにしゃがみ込んだ
俺の頭をいい子いい子してくれた。

「ほくが泣きそうになったら、
ママがいつもやってくれた。
だから、ほくもゆーごに…やるの」


「…ありがと…元気出た」


俺の言葉に北斗は嬉しそうに笑って



「…ゅーご…ずっと…いっしょ？」


その言葉に、もう心に誓ったんだ。


いつまでも、
北斗にうざがれるくらい
ずっと一緒に生きてやるって


「ずっといっしょ」



そのあとは、兄弟5人で

我慢してた涙をいっぱい流した。


何があっても離れないで…
これから強く、生きていくために･･････・

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