Live your life! #2

【2】 ページ24

【語り/Yugo】


………なんだか眠れなくて。

深い眠りにつけないまま何度か寝返りを繰り返す。


時計の秒針の音が耳について…
イライラしながら……

必死に目を瞑って………



ｶﾞﾀﾝｯ


小さくどこからか音がして
俺は飛び起きた。


北斗…


その物音だけでは分かるはずもないのに
なぜか北斗が危ないという直感はあった。

この、妙な胸騒ぎは……



「……北斗ｯ！！」



ベッドの下で丸くなり、
スウェットの胸元を鷲掴みにして
辛そうに顔を歪めながら…
もがき苦しむ…北斗。


最近稀に見る大きな発作だというのは一目瞭然だった。



「みんな！起きて！北斗が！」

家中に響く声でそう叫ぶので必死だった。



「ﾊｧﾊｧﾊｧ…ｳｩｩｯ､ﾊｱｧｯ…」


苦しさのあまり、息遣いの間に声が混じって
額からは脂汗が吹き出していた。

いつから……
ギュッと瞑った目尻から涙も伝っていた。


「ほっくん、いつから苦しかった？
ごめんね、気づかなくて。苦しかったね。
ゆーご、ここにいるからね…もう大丈夫だよ…」


北斗を抱き上げて声をかけながら
必死に背中をさすっているとバタバタと兄弟たちがかけつけた。

この状況を見てみんな目を見開いて
それでもそれぞれやることを瞬時に把握して
またばらばらと散って行った。


「先生に連絡して、救急車も呼んだから」

大我が北斗の様子を見ながら言う。


慎太郎は泣きそうになりながら
ぎゅっと堅く握り締められた手を上から包み込んで
北斗にずっと声をかけ続けてくれている。


「ほくと、しっかり！」


「…ﾊｧｱｧｯ…くる…しｯ…ゆーご」


苦しそうな乱れた呼吸の間に
俺を呼ぶ北斗の叫びが……
怖くて怖くて仕方がなかった。


北斗を救急車に乗せた時には
もう、手の感覚は無くて…

茫然と立ち尽くす俺を
樹がそっと抱き寄せてくれたことは覚えてる。


「優吾、大丈夫？
大我が北斗と一緒に行ったよ」

「……あぁ」

「優吾！行くよ！
あいつはまだ頑張ってっから！」


樹に言われて我に返った。



病院に向かう車の中でグルグル考えてた。





ねえ、北斗。


こうなることが…わかってたの？




"修学旅行には行かない"

“………ありがと”




最近の北斗の寂しそうな笑顔が…
頭にこびりついて離れない。

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