【2】 ページ21
【語り/Hokuto】
もうあと２週間後に迫った修学旅行。
ここ最近は毎日その話で持ちきりで。
みんなで過ごす4泊5日のことを考えて
俺はなんだか泣きそうになってた。
友達と学校の行事に参加することが
こんなにウキウキすることだったんだと知った。
ジェシーと歩く帰り道
「少しでも…その気持ち味わえただけで
ほんとに嬉しい…ありがと、ジェス」
帰り道、突然主語も無い話を俺が始めたから
ジェシーは何のこと？って顔をした。
修学旅行のことって言ったら、
あぁって顔になって「まだ行ってもないのに」って笑った。
「行けないと思う…」
ジェシーの優しい笑顔が一気に曇る。
「…え、なんで…」
ジェシー…
「……苦しいの、最近」
まだ兄ちゃん達にも言えてないこと。
自分の体調を
大分コントロール出来るようになってきたからこそ分かる。
電車に遅れるからって早歩きしただけでも
家の階段を少し駆け上っただけでも
誰かに呼ばれて勢いよく振り返っただけでも
苦しいんだ。
認めざるを得ない、心臓の不調
兄ちゃんに言ってしまったら
どんなに悲しい顔をさせるかって考えたら
どうしても言えなくて。
この前、優吾に気づかれそうになったけどね。
「ほくと……」
俺は幸せ。
いつだって俺のことで
心から泣いてくれる人がいるから。
「ごめんね、ジェシー」
そう言い終わるか終わらないかで
ジェシーは俺をガシッと抱きしめた。
「うわぁ、恥ずかしいよ」
ちゃかすように言ったって離してくれやしない。
俺が修学旅行に行けない理由が、
“他の用事と被って”だったら……
「なんとかならないのか」ってジェシーは言えたよね。
ほんとに、ごめんね。
「俺らは相棒でしょ？」
「うん…」
抱きしめてた俺を離して、
背の高いジェシーが俺を覗き込む。
「北斗、お願いだから…」
「うん？」
「絶対に俺の前からいなくならないで」
ジェシーは修学旅行に行けないことなんかじゃなく
俺がこの世から消えてしまうかもしれないことに泣いてくれていて。
「いなくならないよ。
やっぱジェシーには北斗って
みんなに言われたいもん。」
自分のことみたいに
わんわん泣いてくれるジェシーに
俺の言葉で約束することくらいしか出来ない。
俺は、ずっとジェシーの隣にいるよ。
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KIKO(プロフ) - 新道踏切さん» 読んでいただきありがとうございます！楽しみにしてくれていたなんて嬉しすぎます。今後もよろしくお願いします(^^)また色々描けるように頑張ります！ (2021年4月28日 10時) (
レス) id: c67a5f8f31 (このIDを非表示/違反報告)
新道踏切(プロフ) - 完結おめでとうございます！！ちょくちょく更新されらたびに、次はいつかなって凄く楽しみにしていた作品だったので、完結なさって嬉しかったです(^^)北斗くんの頑張りとか末っ子の可愛さとか最高でした！！また、KIKOさんの作品見てみたいので書いて欲しいです^^* (2021年4月26日 16時) (レス) id: 7158c48a17 (このIDを非表示/違反報告)
KIKO(プロフ) - しずくさん» ありがとうございます(^^)とても嬉しいです。これからもよろしくです！ (2021年1月12日 8時) (レス) id: c67a5f8f31 (このIDを非表示/違反報告)
しずく - すごく面白いです。これからも頑張ってください。 (2021年1月11日 22時) (レス) id: 0ac6e112f4 (このIDを非表示/違反報告)
KIKO(プロフ) - まひるさん» コメント嬉しいです！これからも頑張りますのでよろしくお願いします( ;∀;) (2021年1月11日 14時) (レス) id: 6c56772b46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：KIKO
| 作成日時：2021年1月10日 18時
