【1/さらば青春】 ページ20
【語り/Yugo】
『迎えに来ていただけますか』
久しぶりに携帯に映し出された
“北斗高校”の文字にとてつもなく嫌な予感がした。
大きく体調を崩すこともなく、
毎日楽しそうに遊んで勉強して…
宣言通り、精一杯毎日を過ごしてくれてた北斗。
最近は修学旅行のために、
嫌がっていた定期の診察も進んで行ってて
自分の病気と向き合って一緒に生きてくということを
徐々に受け入れているようにも感じてた。
いつもだったら在宅の大我にお願いするけど
なんだかおかしな胸騒ぎがして……
仕事を早退して急いで学校へ向かった。
「……ごめんね、ゆーご」
保健室のベッドの上。
北斗が発した最初の言葉はそれで、
その表情にもなぜか違和感を感じた。
3限目の途中から熱が出て
貧血も出ていたため迎えを呼んだという養護教諭の話。
「苦しく無いの？」
「うん…それは…へーき」
ゆっくりと起き上がった北斗の顔色は真っ白で
支えてやらないとふらふらな状態。
「すぐ病院行こう」
「……うん」
車の中でも北斗はずっと窓の外を眺めるか目を瞑るか
「ほくとー？いつから具合悪かった？」
「んー？ついさっき…かな」
「そっか…久しぶりの早退だね。
遊びすぎて疲れが溜まったんじゃないの〜？」
「……そう、だね」
具合が悪いことを差し引いても低いテンション。
応答も上の空だし、必要以上の会話はしてこない。
体よりは、なんか心が沈んでる気がして…
俺は終始北斗の表情を伺ってしまう。
「修学旅行いけなくなったら大変だから
少しゆっくり休めってことだよ…」
そのワードを発したら、
びっくりしたように俺を見て
ごまかすように「うん、そうだね」なんて。
診察の結果、心臓は今日のところは大丈夫。
でもやっぱり貧血が酷いから輸血してもらって
「帰ってもいー？」
「そう言うと思った。
絶対安静守ってね。」
苦笑いの櫻井先生に見送られて、病院を後にした。
家に戻ってからも
「ゆーご、疲れたから少し寝るね」
「うん、なんかあったら呼んで」
自らベッドに入って寝てしまった。
有無を言わせない、北斗の小さな拒絶。
北斗なりに何か悩んでることがあるのかな。
それが何かはまだ分からないけど…
「頑張れ…ほくと」
辛い時、俺に抱きついて
シクシク泣いていた北斗はいなくて。
自分の頭と心で、
どうにかしようともがくきみを
俺は見守ることしか出来ない。
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KIKO(プロフ) - 新道踏切さん» 読んでいただきありがとうございます！楽しみにしてくれていたなんて嬉しすぎます。今後もよろしくお願いします(^^)また色々描けるように頑張ります！ (2021年4月28日 10時) (
レス) id: c67a5f8f31 (このIDを非表示/違反報告)
新道踏切(プロフ) - 完結おめでとうございます！！ちょくちょく更新されらたびに、次はいつかなって凄く楽しみにしていた作品だったので、完結なさって嬉しかったです(^^)北斗くんの頑張りとか末っ子の可愛さとか最高でした！！また、KIKOさんの作品見てみたいので書いて欲しいです^^* (2021年4月26日 16時) (レス) id: 7158c48a17 (このIDを非表示/違反報告)
KIKO(プロフ) - しずくさん» ありがとうございます(^^)とても嬉しいです。これからもよろしくです！ (2021年1月12日 8時) (レス) id: c67a5f8f31 (このIDを非表示/違反報告)
しずく - すごく面白いです。これからも頑張ってください。 (2021年1月11日 22時) (レス) id: 0ac6e112f4 (このIDを非表示/違反報告)
KIKO(プロフ) - まひるさん» コメント嬉しいです！これからも頑張りますのでよろしくお願いします( ;∀;) (2021年1月11日 14時) (レス) id: 6c56772b46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：KIKO
| 作成日時：2021年1月10日 18時
