Live your life! #2

【3】 ページ15

【語り/Yugo】


遅いな…

20時過ぎ、未だ帰ってこない北斗にやきもきして
既読スルーされたLINEのトーク画面を見つめる。

今までは短い文章ではあったけど、
どこに誰とってのは返してくれてたから。

まあ、どんどんそっけない返事にはなってたけど…


「ちょっと遅くない？」と、
リビングでテレビを見てる大我に聞いたとき
ガチャっと玄関が開く音がして…

顔色最悪の北斗が無言でリビングに入ってきた。


体調の悪さは一目瞭然で
思わず大我と目を合わせる。



「北斗、大丈夫？苦しい？熱は？」

「……ないよｯ」


思いっきり手を払われて驚いた。
イライラしてるみたいな鬱陶しそうな…

それを見て、俺もついつい
最近の北斗の行動について
頑張って飲み込んでいたことが溢れ出た。


「北斗…無理し過ぎだよ、最近。
朝から体調悪かったんだろ？
もう、20時になるよ？
早めに帰って休めって俺言ったよね？
友達付き合い大切なのはわかるけどさ…
北斗は……


「心臓病だから？」


俺の言葉を遮った声は、
挑戦的で対抗的で…でも悲しそうで
少しだけ、震えてた。


「慎太郎は？樹は？大我や優吾だって…
高校のとき、もっと夜更かししてたじゃん。
なんで俺はダメなの？」


必死に反抗してくる北斗に言い返せなかった。
確かに図星だったから。

俺らは、高校の時から、
門限は決まってなくて…
その代わり未成年であっても自己責任
そんな教育方針だったけど…

きっとそれは俺らが、
かすり傷やちょっとした熱なら
どうってことないくらい健康で…
その後の発作や感染症なんか気にしなくていいからで…


「何も言えないんだ…
俺、みんなと同じことなんて…
一生出来ないじゃん…」


「北斗、俺はただ心配なんだよ」


「みんなその目で見る。
その度感じる…
俺は病気で普通じゃない。
こんなﾎﾟﾝｺﾂの心臓だから…
みんなに憐れな目向けられて優しくされて
腫れ物に触るみたいに扱われて…」


「そんなことないって…」


出来るだけヒートアップさせないように
北斗を落ち着かせようと肩に手をやると…


「触んないで！
その心配が鬱陶しい！
うざい…
おれの気持ちなんかわかんないくせに！」


また手を払われて

どうしたもんかと困ってたら



ﾊﾟｼﾝｯ____



「……えっ」


そう言って俺より驚いてたのは北斗で。

その北斗の頬を叩いたのは



大我だった…

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