【2】 ページ14
【語り/Hokuto】
メッセージを読んで溜息をついた。
そして返信しないまま、その画面を閉じる。
「兄ちゃん？」
「うん、心配しすぎなんだよね。
俺を何歳だと思ってんだろ…」
「いいじゃん、羨ましいよ。
俺、一人っ子だからさ」
なんて健人は笑ってたけど…
俺は内心、冷めた感情がうずまいてた。
ジェシーや健人、風磨のおかげで
学校でもありのままの自分でいられるようになった。
そうしたら自然と友達も増えて、
最近は本当に学校生活が楽しい。
みんなでご飯を食べにいったり、
カラオケ行ったり、ゲーセンで遊んだり
……好きな子の話したり。
でも、だからこそ、自分と
周りの普通の子達との“違い”を露骨に感じて。
みんなが理解してくれようとして
レストランでは
「食べれないの言って」って。
流れでバッティングセンターに行けば
ベンチで見学する俺がひとりにならないように
いつも誰かが隣に座ってくれるし。
帰り道にじゃれあって
追いかけっこが始まると
いきなり走れない俺が置いてかれないように
「あいつらバカだよな」って誰かが側にいてくれる。
いいやつばっかで…嬉しいのに…
どこに行ったって、何してたって
“心臓病であること”を忘れることは出来ない。
“病気が無ければ俺は普通だったのに”
そんなタラレバの話は考えても無駄なのに
普通の友達が増えるほど思いは強くなってしまう。
だから、体を気遣うような
兄ちゃんからの心配がどんどん鬱陶しくなって…
無条件でイライラしちゃってる。
距離を置きたくなってしまう。
「北斗？だいじょぶそ？」
「……うん…ごめん…
今日は帰ろっかな」
「なんか顔色悪いよ。
ごめん、気づかなくて…
家まで送ってくよ！」
「いいよ。別に具合悪いわけじゃない。
ちょっと疲れただけだから、一人で帰れる」
「そっか」
何人かでファミレスに来て、
口数の減った俺に健人が話しかける。
俺は元気で、普通だ。
だから過度な心配なんて必要ないんだよ。
……なのに。
優吾には朝からお見通しだし、
今、こうやって健人にも心配されて。
やっぱり…俺は、普通じゃないじゃん。
具合が悪いわけじゃないと言ったけど、
少しだけ脈が速く打ってることに焦ってた。
今日ジェシーは他の用事でここにはいなくて。
それだけで不安になってる自分も
やっぱり病弱な俺のままだった…
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KIKO(プロフ) - 新道踏切さん» 読んでいただきありがとうございます！楽しみにしてくれていたなんて嬉しすぎます。今後もよろしくお願いします(^^)また色々描けるように頑張ります！ (2021年4月28日 10時) (
レス) id: c67a5f8f31 (このIDを非表示/違反報告)
新道踏切(プロフ) - 完結おめでとうございます！！ちょくちょく更新されらたびに、次はいつかなって凄く楽しみにしていた作品だったので、完結なさって嬉しかったです(^^)北斗くんの頑張りとか末っ子の可愛さとか最高でした！！また、KIKOさんの作品見てみたいので書いて欲しいです^^* (2021年4月26日 16時) (レス) id: 7158c48a17 (このIDを非表示/違反報告)
KIKO(プロフ) - しずくさん» ありがとうございます(^^)とても嬉しいです。これからもよろしくです！ (2021年1月12日 8時) (レス) id: c67a5f8f31 (このIDを非表示/違反報告)
しずく - すごく面白いです。これからも頑張ってください。 (2021年1月11日 22時) (レス) id: 0ac6e112f4 (このIDを非表示/違反報告)
KIKO(プロフ) - まひるさん» コメント嬉しいです！これからも頑張りますのでよろしくお願いします( ;∀;) (2021年1月11日 14時) (レス) id: 6c56772b46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：KIKO
| 作成日時：2021年1月10日 18時
