【2】 ページ7
【語り/Hokuto】
カーディガン着てきて正解。
そう思うのに、時間はそんなにかからなかった。
寒い。
それに、さっきジェスに急かされて
ちょっと走っただけなのに、なんか…違和感。
みんなの注目の的になってるジェスの横をさっさと歩いて着席する。
窓の外を見て深呼吸。
気のせい、気のせい。
落ち着け、俺の心臓。
そんな思いで軽くトントンと胸を叩いてみる。
最近調子良いし、ちょっとビックリしただけだ。
ジェス…
不安なとき、必ずジェシーを目で探してしまうのは
俺の昔からの癖だ。
バチっと目が合ったジェシーは
こっちに歩いて来るとすぐに、顔を覗き込んだ。
「北斗、お前具合悪いだろ」
「…わかんない」
「わかんないって何が、自分の身体だろーが」
ほんとにわかんないんだ。
何が良くて、何が悪いか。
生きてるうちの大半は具合悪いみたいな人生だから。
「いや、おかしい。お前唇の色悪いもん。」
「え…まじ？」
「うん、大マジ。保健室行くぞ」
やっぱり。
朝、食欲無いのはこれだったんだ。
自分で歩けるくらいだけど、
やっぱりなんか、ふわふわしてて。
「北斗くん、久しぶりね。
どうしたの？」
保健室登校でお馴染みの先生に
ジェシーがなんか説明している間に
一気に眠くなってきて、視界がブラックアウト。
「ゆっくり休めよ…」
そんなジェシーの優しい声が遠くで聞こえた気がした。
＿＿＿＿＿
「やめろよ！ほっくんにかまうな！」
「だいじょうぶ、おれがまもるからね」
「ほっくんのびょーき、おれがなおす」
夢を見た。
小さなジェシーのクリームパンみたいな手が
いつも俺のハートを優しく撫でてくれたっけ。
「ほっくんはおれのほーみーだよ」
でことか首とか触られてくすぐったくて目が覚めた。
＿＿＿＿＿
「大丈夫？なんか笑ってたけど」
目の前にいたのは大我だったけど。
「なんで？たいが？」
「ジェシーから連絡あって、迎えに来てって。
疲れちゃった？とりあえず帰ろっか」
大我の運転する車も久しぶり。
胸の違和感もさっきよりは落ち着いた気がする。
大我はバックミラーでちらちらと俺のことを確認していて。
心配かけちゃったなと申し訳ない気持ちになった。
「なんの夢見てたの〜」
「あぁ、ちっちゃいときのジェスの夢」
「ははっ。あいつ可愛かったもんな。」
ジェスにも迷惑かけた。
ごめん。
そしてありがとう。My Homie...
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KIKO(プロフ) - nkrysuさん» はじめまして。少し前に完結したものにこうしてコメントが来るのが嬉しいです🥺❤️続編も楽しんでいただけると嬉しいです❤️ (2021年10月28日 19時) (
レス) id: 16d48c36dd (このIDを非表示/違反報告)
nkrysu(プロフ) - はじめまして。うるうる涙を流しながら読んでしまいました（ ; ; ）（笑）続編も読ませていただきます！ (2021年10月28日 9時) (レス) @page42 id: 42b1441c9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：KIKO
| 作成日時：2020年10月16日 10時
