検索窓
今日:6 hit、昨日:8 hit、合計:37,489 hit

No.145 正解 ページ9

思った事全て叫び終わった瞬間、
聞こえてきた声に我に返る。

ドアの向こうから、深雪さんじゃない、
別のメイドさんの声がした。

「お目覚めになったのかしら。
 お嬢様? 失礼いたしますよ……?」

「っ!」

ノックの音と遠慮がちに聞こえる言葉に、
さすがにマズいと焦った。

このままじゃ、黒羽が見つかっちゃ……。

「!?」

ふっと電気が消え、
私は誰かの腕により抱きかかえられる。

そのままベッドへと身体が倒れ、
ガチャッというドアが開く音と同時に
バサッと布団が覆い被さった。

「……あら、まだ寝てらして……。
 電気も付いてないし……」

「っ……んー!」

思わず声が出そうになった時、
大きな手に口を押さえられる。

「静かに、あとジタバタすんな」

「っ!」

……すぐ耳元で、彼の声がする。
ぞくぞくしたものが、背中を駆け上がっていく感じがした。

背中から伝わる彼の体温と吐息。
彼の左手が私の腰に回って、動かさないようにかギュッと抱き寄せている。

シングルのベッドだから、狭いし。
何が言いたいかって、要は彼と密着状態だという事だ。

もはや、見つかるかどうかのドキドキより、
この密着状態のドキドキが圧倒的に勝利している。

「……気のせいだったようね」

ドアが閉まる音がする。
カツン、カツン、という遠ざかる規則正しい足音に反して、
私の鼓動は速くなっていた。

その足音が遠ざかり、私の鼓動もそろそろ暴れまくって
限界に来たとき、
彼は私を解放し、同時にバッと布団をまくった。

「〜〜っは! 何、して……!」

顔を真っ赤にしながら、
黒羽が居るであろう方向に顔を向ける。

「……関係なくない」

ベッドわきに立つ黒羽が、ポツリと呟く。

「え……?」

暗くて、黒羽の表情がよく見えない。

「お前がそんな悲しんでるって思うと、
 授業中でも、仕事してる時も、集中出来ねぇよ。
 何か、こう……頭にチラついてさ……。
 だから、関係あんだよ」

「……っ」

「……オレだって、わっかんねぇよ。
 何が正解とか。
 でもさ、これだけは確実に言えるぜ……?」

「――オレは、Aの事が知りたい。
 例え、それがどんな事であっても……」

No.146 お姫様→←No.144 わかってる



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (145 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
293人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 怪盗キッド , ヴァンパイア   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

橋本アリィちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します!超絶愛してますキッド様!そしてもし続編があるのなら、楽しみにして待っています!(*´ω`*) (2022年2月11日 15時) (レス) id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
M - 更新待ってます!!!頑張ってください。大好きです (2020年10月20日 23時) (レス) id: 6ba727d14b (このIDを非表示/違反報告)
向日葵 - んああああ続き楽しみすぎる! (2020年5月18日 17時) (レス) id: 66b31af3bc (このIDを非表示/違反報告)
☆FUU☆RYM(プロフ) - ラルカさん 続きが出るの楽しみに待ってます♪ (2019年8月1日 19時) (レス) id: 196066947a (このIDを非表示/違反報告)
シンア - 続き気になります(*⌒▽⌒*)更新楽しみにしてます(*⌒▽⌒*) (2018年3月1日 14時) (レス) id: b478a7ecf3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ラルカ | 作成日時:2014年8月17日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。